帝都上空での防空戦で有名な244戦隊の戦隊長小林照彦少佐夫人の本である。小林少佐は、厳しく自分を律し、二四歳の最年少戦隊長として全力で戦った。戦後はサラリーマンになり毎晩のように酒に溺れるが、航空自衛隊発足と同時に空に復帰し、T33の飛行訓練中に殉職する。
B29撃墜マークを書き込んだ飛燕の操縦席から、端正な顔で微笑んでいる小林少佐の写真はいろいろな本や雑誌でおなじみである。「飛燕」にも似た鼻筋の通った映画俳優のような端正な顔に秘めたる闘志を感じさせる。まじめなんだな。それが敗戦後の大酒につながるのかも。
本の題名はひらがなで「ひこうぐも」。夫人の感性がこの題名にも、そして文章のあちこちに表れている。戦闘記録ではなく、小林少佐の家庭の記録であり、戦時中、戦後のよき日本の暮らしの様子がよく伝わってくる。全編を通して夫人のやさしさが感じられる。
1 九九式襲撃機
2 キ61(飛燕)
3
キ100(五式戦)4 B29
5
グラマンF6F6
コルセア7 C47
8 T33
9 F86
10 F104
11 F100
光人社NF文庫
小林千恵子 著
2005年9月7日
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