第二次世界大戦前後の飛行機のフォルムに惹かれて数十年。戦争に使われた飛行機、民間で使われた飛行機、暗い運命を背負った飛行機、栄光に包まれた飛行機・・・そして飛行機にかかわった人間も、興味深いものがあります。そんな飛行機の登場する本を紹介していきます。また、本文に出てきた飛行機をできるだけひろってみたいと思います。
ブラッカムの爆撃機
ロバート・ウェストールの「ブラッカムの爆撃機」宮崎駿の書き下ろし「タインマスへの旅」が入った岩波書店版が有名だが、私の持っているのは1990年の福武書店版である。収録されているのは表題でもある「ブラッカムの爆撃機」と「チャス・マッギルの幽霊」の2作である。もちろん2作ともものすごくいい。
名著である。
私は、小学校の高学年時代からイギリスの海洋冒険物語に浸っていた。
(それがひねこびた性格をつくることになるとは知らずに)
どんな物語でも必ずといっていいほど皮肉屋が出てきて、苦境になったときにジョークで乗り越える。
それが面白くて、いつのまにか自分自身が皮肉屋になり、現在妻に嫌われている。
自分としては、ジョークでも言うしかない、ジョークでもって苦境を乗り越えようとするのだが、口が悪いヤツとしか見られていない。
悲しい。
ブラッカムの爆撃機でも苦境をジョークで乗り越えていく場面が何度も出てくる。
ああ、これこれ・・・と久しぶりに味わった。
それから、爆撃機の中のにおいが印象的である。
その通りには書いていないけれど、出撃のたびに反吐と血と糞尿にまみれた臭い、それらを消毒した臭い、ドープ塗料の臭いが入り交じって伝わってくる。
(主人公や同僚の搭乗員は、ことあるごとに吐いている)
それが戦場なんだと思う。
そういえば「フォッケウルフ」でも、反吐と糞尿まみれのコクピットのことを書いていたっけ。
戦う飛行機のコクピットは・・・そういうもんなんだね。
そして、登場する飛行兵たちの若さが強烈。
「フォッケウルフ」や「夜間戦闘機」でも、主人公の若さを強く感じた。
前線で死をかけて戦った者はみな若者だった、いや少年だったことをいまさらながら痛感する。
我が家の息子も時代が時代なら、戦場に・・・と思うとね。
自分が19歳の時はそんなこと思わなかったのだけど。
そのうち岩波書店版を手に入れようと思っている。
登場する飛行機一覧です。
1 スピットファイアー
2 メッサーシュミット一〇九
3 ウェリントン爆撃機(ウィンピー)
4 ランカスター
5 ボーファイター
6 ユンカース八八(ふくろう)
7 ホィットリー
8 フレーザー・ナッシュ・・・これは銃座です。詳しくは、「クルマが先か?ヒコーキが先か?」で
9 ドルニエ二一七
福武書店ベネッセ
1990年
ロバート・ウェストール 著
金原端人 訳
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