「迎撃」

作者のエルンスト・トレバーは映画化された「飛べ!、フェニックス」を書いている。別名のアダムスでは、エスピオナージで有名。力量のある作家が、自身が経験したバトル・オブ・ブリテンの飛行基地の日常を書いた作品。
とても良質な読み物だと思う。
丁寧に読みたい本である。
その場に現実にいた経験をもつと思われる作者でなければ気づかないような、現実感のある細やかな描写がいい。
たとえば、待機(スタンバイ)のときの描写。
「ステュークスが、コクピット内にはいると、デイジーは安全ベルトをきちんと装着してやった。
ステュークスは焦燥感にかられはじめた。
ここの座席にすわって、ひたすら待機をつづけるという行動に慣れていないせいだ。
ほんとうは、敏捷にふるまうことが肝要で、ほかの雑念は排除しなければならない。
くわえて、一連の動きにはしずめるようなリズムがある。
安全ベルト、ヘルメット、エンジン始動、地上滑走開始、指揮官機につづけ、離陸・・・といったぐあいにだ。
待機と発進のあいだには時間のずれがある。
これは不愉快だ。愉快だというものはいない。」
ステージの幕が開く前の役者も同じような気持ちを抱くのではないかと読みながら感じた。
緊張感と焦燥感とそのすきまを流れる一瞬の覚めた気持ち、よく分かるなあ。
ちなみにステュークスというのは一応の主人公(複数の登場人物が織りなすドラマ仕立てになっているので)、二日前に着任した新米パイロットで19歳(19歳だよ)。
デイジーはちょっとお姉さんの整備士(女性の整備士というのも当時の英国っぽくていい)で、なにかとこのステュークスが心配でならない感じ。
なんといっても19歳というのが複雑な気持ちにさせられる。
「ブラッカムの爆撃機」でも19歳の少年たちの戦いの物語が書かれていた。
第二次世界大戦、19歳の少年たちが空で戦っていた。
大人でもない子どもでもない複雑な年。
「スカイクロラ」の世界だ。
そうそう、先月81歳で亡くなった親父も、19歳の時、海軍航空隊基地で魚雷整備をしていましたっけ。


1 スピットファイア
2 ドルニエ21中型爆撃機
3 メッサーシュミットBf109戦闘機
4 ホーカー・ハリケーン
5 ハインケル
6 ドルニエ17
7 ユンカースJU88
8 メッサーシュミットBf110
9 サンダーランド


徳間文庫
エルストン トレバー (著), 宇野 輝雄 (翻訳)
1989/12

軍用機開発物語




 副題は、「設計者が語る秘められたプロセス」とある。

 昭和30年代に雑誌「丸」に書かれた開発者の記録6機分に、昭和52年に書かれた「深山・連山」の開発者の記録を加え、中ほどに十二試艦戦の開発プロセスの写真記録でまとめられた、ちょっと変わった体裁の本である。
 取り上げられた開発者は、「飛燕」ー土井武夫、「一式陸上攻撃機」ー本庄季郎、「烈風」ー曽根嘉年、「零観」ー佐野栄太郎、「彩雲」ー内藤子生、「二式大艇」ー足立栄三郎、
「深山・連山」ー碇義朗、各氏である。

 どちらかというと優等生的な印象を与える零戦がひ弱で急降下に制限があり、飛燕は女性的なエレガントなフォルムなのに頑丈で急降下で空中分解を起こしたことがなかったというエピソードがなかなかいい。また、燃えやすいということで「ワンショットライター」とまで言われた一式陸上攻撃機なのに、その木製機が本気で考えられていたというエピソードはあまりに悲しい。


1 私が設計した液冷戦闘機飛燕
1  川崎KDA-Ⅲ
2  川崎九二式戦
3  川崎キ5
4  川崎九五式戦
5  川崎キ28
6  川崎キ10
7  川崎キ60
8  川崎三式戦(飛燕)
9  川崎キ88
10  川崎キ64
11  川崎五式戦(キ100)
12  七試艦上戦闘機(IMF10)
13  中島キ10
14  中島キ27(九七戦)
15  三菱キ33
16  川崎キ61
17  九八式単軽爆
18  キ45
19  キ48
20  メッサーシュミットMe109
21  メッサーシュミットMe110
22  スピットファイア
23  零戦

2 一式陸上攻撃機誕生までの苦闘
1  一式陸上攻撃機
2  九六式陸上攻撃機
3  八試特偵

3 最後の艦戦烈風 設計の秘密
1  十七試艦上戦闘機
2  零戦
3  九六艦戦
4  雷電
5  B29

4 十二試艦戦〔零戦〕試作プロセス

5 名機零観が生まれるまで
1  愛知試作一五式甲型水上機
2  愛知二式複座水上偵察機
3  愛知二式単座水上偵察機
4  愛知試作三座水上偵察機
5  愛知六試小型夜間偵察飛行艇
6  愛知七試水上偵察機
7  愛知八試水上偵察機(双浮舟)
8  愛知八試水上偵察機(単浮舟)
9  愛知試作AM-10幅座水上偵察機
10  川西K-5水上郵便機
11  川西K-7A水上輸送機
12  川西K-8A水上輸送機
13  川西一三式水上練習機
14  川西九〇式二号飛行艇
15  川西九〇式三号水上偵察機
16  川西九四式二号水上偵察機
17  川西九一式水上偵察機
18  川西九三式水上中間練習機
19  川西八試水上偵察機
20  川西九四式水上偵察機
21  ロールバッハR型飛行艇
22  九六艦戦
23  九六式陸上攻撃機
24  九五式水上偵察機

6 艦上偵察機彩雲 開発プロセス
1  彩雲
2  零戦
3  グラマン・ワイルドキャット
4  グラマン・ヘルキャット
5  九七式艦上攻撃機
6  九六式艦上攻撃機
7  九七式艦上偵察機
8  六試艦攻
9  七試艦攻
10  九試単戦
11  九試艦攻
12  クラークGA43旅客機
13  ノースロップ偵察機
14  ダグラスDC3旅客機
15  九七式一号艦上攻撃機
16  九七式二号艦上攻撃機
17  九七式三号艦上攻撃機
18  九七式練習攻撃機
19  天山
20  夜間戦闘機月光
21  四式戦闘機疾風
22  メッサーシュミットMe109
23  十七試陸上攻撃機連山
24  彗星
25  B29

7 傑作機二式大艇 設計の秘密
1  九〇式二号飛行艇
2  十三試大艇
3  九七式大艇
4  コンソリデーテッド飛行艇
5  アンヒビヤン飛行艇
6  B29

8 超重爆深山・連山 技術白書
1 十三試陸上攻撃機
2 ダグラスDC2型
3 ダグラスDC4型
4 ユンカースG38
5 ボーイングB17
6 ボーイングB29
7 川崎キ91
8 キ85
9 九三式重爆撃機
10 富嶽
11 B−36

土井武夫他
光人社NF文庫
2007年9月14日

あっと驚く飛行機の話




 今時、人はあっと驚くのかどうか、マンガ世代はゲッと驚き、アニメ世代はアオスジ頭で驚き、コミック世代は千差万別。私は「タメゴロウ」世代ですが。著者も、編集者につけられたらしい書名にとまどいを覚えたらしいことがあとがきに出てくるが。


 しかし、マニア向けのこのような本がちゃんと上梓されるのだから、マニアにとってはありがたい。飯山幸伸氏の多識には毎度毎度驚かされます。

 ともかく、見出しを一覧。
 第1章 零戦とそっくりな戦闘機
 第2章 爆撃機以外のB-17の仕事
 第3章 米海軍のジェット化直前の騒動
 第4章 日独・斜め銃の秘密
 第5章 本当に役立ったロケットは
 第6章 前時代軍用機が使われる理由
 第7章 航空先進国で活躍した複葉機
 第8章 旅客機の本気の戦い
 第9章 独学だったムスタング生みの親
 第10章 日本航空会の父・フォークト博士の先見性
 第11章 中国空軍の日本本土初空襲と「ふ号兵器」の恐怖

 この見出しをみて、ああ、あのエピソードかと思い浮かぶようであれば、マニアを通り越して、ビョーキです。

第1章 零戦とそっくりな戦闘機
1 零式艦上戦闘機
2 ヴォートV-143
3 十試艦攻
4 九七式戦闘機
5 キ-43隼
6 八試特偵
7 九試中攻
8 九六陸攻
9 F4Uコルセア
10 ノースロップ3A
11 XFT-1
12 P-26
13 セヴァスキーP-35
14 カーチスP-36
15 96艦戦
16 グロスターF-5/34
17 グロスター・ゲームコック
18 グロスター・グラディエーター
19 ミーティア
20 ハリケーン
21 スピットファイア
22 SAAB17
23 SAAB18
24 SAAB21
25 SAAB19
26 FFVS・J22
27 ヴォート・ビンディーケーター
28 ブラックバーン・スキュア
29 ノースアメリカンP-51
30 メッサーシュミットBf109
31 グラマンF4U
32 烈風
33 リパブリックP-47
34 グラマンF6F
35 シーモスキート
36 グラマンF8F
37 グラマンF7F

 第2章 爆撃機以外のB-17の仕事
1 ボーイングB-17
2 ボーイング307
3 コンソリデーテッドB-24
4 ボーイングF-9
5 コンソリデーテッドF-7
6 YB-40
7 XB-41
8 ボーイングPBBシーレンジャー
9 ボーイングB-29
10 PB4Y-1
11 BQ-7
12 BQ-8
13 C-109
14 C-87
15 PB4Y-2
16 PB-1W
17 グラマンTBM-3W
18 PB-1G

 第3章 米海軍のジェット化直前の騒動
1 マクダネルFD-1ファントム
2 ライアンFR-1ファイアボール
3 カーチスXF15C
4 ノースアメリカンFJ-1サヴェイジ
5 デ・ハビランドD.H.100シーヴァンパイアF.Mk.20
6 ウエストランド・ワイバーンS.Mk.4
7 スーパーマリン・アタッカーFB.Mk.2
8 ホーカー・シーホークFGA.Mk.6

 第4章 日独・斜め銃の秘密
1 中島夜間戦闘機月光11型
2 フォッケウルフFw190F-8

 第5章 本当に役立ったロケットは
1 オペル・ザンダーRak-1
2 リピッシュ・エンテ・ロケット・グライダー
3 ヘンシェルHs293A
4 メッサーシュミットMe163B-1コメート
5 バッヘムBa349Aナッター
6 ドイツ陸軍兵器局A4(V2)

 第6章 前時代軍用機が使われる理由
1 アヴェロ504N
2 フェアリーⅢF
3 グロスター・ゴーントレットMk.2
4 フィアットCR32
5 グロスター・グラディエーターMk.2
6 フィアットCR42

 第7章 航空先進国で活躍した複葉機
1 川崎九五式戦闘機2型(キ-10Ⅱ)
2 アラドAr68E
3 グラマンFF-1
4 カーチスSBC-4ヘルダイヴァー
5 カーチスSOC-1シーガル
6 スーパーマリン・シーオッターMk.1

 第8章 旅客機の本気の戦い
1 デ・ハビランドD.H.89ドミニ
2 ダグラスDC-2
3 ファルマンNC223・3
4 中島フォッカー・スーパー・ユニヴァーサル

 第9章 独学だったムスタング生みの親
1 フォッカーFⅦB/3m
2 ノースアメリカンP-51ムスタング
3 ノースロップF-5Aフリーダムファイター

 第10章 日本航空会の父・フォークト博士の先見性
1 川崎・ドルニエ八七式中爆撃機
2 川崎八八式偵察機1型
3 川崎九二式戦闘機
4 ブローム&フォスBv-P202
5 エイムス・インダストリーAD-1オブリーク翼機

 第11章 中国空軍の日本本土初空襲と「ふ号兵器」の恐怖
1 ツポレフSB-2m
2 マーチン139W
3 風船爆弾


飯山幸伸
2008年5月12日発行
光人社NF文庫

二式大艇空戦記


 著者は九七式大艇から二式大艇のパイロットとして第二次大戦を過ごし、最後は神風特別攻撃隊梓隊としてウルシー攻撃に参戦した経験をもつ。

 日本ではめずらしい4発機である二式大艇の当時の様子がよく分かって興味深い。海上長距離をレーダーなしで飛ぶことがいか難しいことであるか。台風下の悪天候を飛行しているときの描写で、搭乗員がみな目を回し嘔吐まみれで伸びている場面があるが、ランカスターやB17の爆撃行でも嘔吐する話が出てきたのを思い出した。

 後半は、神風特別攻撃隊としてウルシー攻撃に参加する様子が克明に記録されている。決して、美談では済まされない、当事者として味わった苦悩やせつなさがよく伝わってくる。




1 二式飛行艇
2 銀河
3 グラマンF6F
4 ロッキードP38
5 ボーイングB29
6 九七式飛行艇
7 彩雲
8 極光
9 PB4Y2

長峯五郎
光人社文庫
2007年1月

新司偵−キ46技術開発と戦歴−



 碇さんは、自身が陸軍航空技術研究所に勤めていた経験のあるテクニカル・ライターで、メカニカルなドキュメントだけでなく、そこに関わった人間をも深く描いた作品が多い。この「新司偵」も、キ46という優れた飛行機の開発のドキュメンタリーと開発に関わった人たちや新司偵で戦った人たちの人間ドラマを同時に描いている。しかも、ご自分がその場にいたというのも、すごいこと。ご自身の目で見たり感じたりしたことを、おりおりにさりげなく語られている。

 新司偵、正式には100式司令部偵察機は「新しい」司令部偵察機という意味。ということは旧司偵もあるわけで、それが97式司令部偵察機。この本では、キ15から神風号、97式司令部偵察機、そして100式司令部偵察機の系譜を軸として物語が語られる。

 それまで世界になかった戦略偵察という新しいコンセプトで開発されたキ15という飛行機は、その新しさ故に軍に認められず、干されていた。戦闘機よりも速く、そして遠くまで飛べたにもかかわらず。それが、朝日新聞社の神風号として日本ロンドン間飛行の記録を作り、日本どころか世界中から注目されてしまう。折しも、日本と中国の戦争が悪化。そこで、97式司令部偵察機として大活躍する。そのコンセプトがようやく認められたのだ。

 そして、そのコンセプトを引き継いで生まれたのが100式司令部偵察機。単発だったのが双発になり、より洗練されて、当時の世界標準を軽く突破。早く、高く、遠くまで飛べるスーパー飛行機になった。美しい飛行機は優れた飛行機というレジェンドがここでも確認できる。

 最終的には、武器をつけて戦闘機に変身。何しろB29の飛行高度1万メートルまで登れる飛行機は新司偵しかなかったのだ。戦闘機と偵察機ではその頑丈さが違うので、通常ではそのようなことは無理なのだ。言ってみれば偵察機は陸上のアスリートみたいなもの、アスリートが背中に重機関銃を背負って走る姿を想像してみればいい。しかし、新司偵は構造がよかったのでそのような使用にも十分に耐えたという。

 モスキートやP-38のように、始めから戦闘機として開発され、その優秀さから偵察機に転用した例はあるけれど、その逆は新司偵だけだったと碇さんはこの本の中で述べている。新司偵のスタイルはのびやかですなおで無理がない。本当に美しくエレガントなスタイルだ。ただ、残念なのはやはりエンジンまわりはオイルで汚れてしまっていたという日本の当時の工作技術の弱さである。敗戦後、日本に進駐してきたアメリカのアヴェンジャーのエンジン・ナセルの後部をあけるとほこりがうっすらたまっていたことに感心するエピソードが出てくる。
 
 このような基礎的なパッキングの技術の差は、実は致命的な差につながっていた。1000機以上作られたのは特筆すべきである。

 ところで、三船敏郎って航空写真を扱う司偵の偵察員だったのだ。軍隊では喧嘩ばかりしていて上等兵どまり。戦後にカメラマンとして採用してもらうため東宝に履歴書を提出し、まちがって俳優に採用されてしまったのだそうだ。(この本には載っていないエピソードでした)


1 百式司令部偵察機
2 「スピットファイア」
3 「鐘馗」
4 「吞龍」
5 サルムソン2A2(乙式一型)
6 三菱「鳶」
7 石川島T2
8 川崎KDA2(八八式偵察機)
9 八八式軽爆撃機
10 九七式司令部偵察機(神風号)
11 「屠龍」
12 「飛燕」
13 「キ102」
14 海軍七試艦上戦闘機
15 九六式艦上戦闘機
16 零式艦上戦闘機
17 九四式偵察機
18 九二式偵察機
19 九一式戦闘機
20 キ10(九五式戦闘機)
21 キ11
22 ドヴァーチンD510
23 ユンカースJu160
24 エアスピード・エンボイ
25 キ15
26 キ27(九七式戦闘機)
27 サルムソン(乙式一型)
28 メッサーシュミットBf109
29 ホーカー・ハリケーン
30 セヴァスキーP35
31 カーチスP36
32 ヘンシェル126A1
33 スーパーマリン・スピットファイア
34 I16
35 アンリオ220
36 ロアール・ニュポール20
37 ロマノ110
38 ブレゲー690
39 ポテ630
40 ノースロップA17
41 デ・ハビランド・コメット
42 九六式陸上攻撃機
43 ニッポン号
44 中島AT2型
45 フィアットBR20爆撃機
46 九七式重爆撃機
47 I15
48 ウエストランド・ライサンダー
49 九九式高等練習機
50 九七式軽爆撃機
51 キ51
52 九九式襲撃機
53 九九式軍偵察機
54 キ83
55 モラン・ソルニエ
56 ノースアメリカンB25
57 P40
58 キ60
59 キ70
60 ロッキードP38
61 B17
62 B24
63 グラマンF6Fヘルキャット
64 リパブリックP47サンダーボルト
65 ノースアメリカンP51ムスタング
66 ロッキードF4
67 キ83
68 キ95
69 B29
70 中島J1N1(月光)
71 九八式陸上偵察機
72 「彗星」
73 中島J1N1-C(二式陸上偵察機)
74 「彩雲」
75 「桜花」
76 「疾風」
77 一式双発高等練習機
78 A26「航研機」
79 キ77
80 グラマンTBFアヴェンジャー


1991年11月
碇義朗
光人社NF文庫


アブロ・ランカスター爆撃機

アブロ・ランカスター爆撃機

 執念深い英国流の戦い(ラグビーでのスクラム戦のような戦い)のために作られたような爆撃機。作戦での損失率は高く、大戦中に3000機以上が失われた。
 この爆撃機は、アメリカのB-17やB-24とともにドイツに大量の爆弾を落として、最終的にドイツをたたきのめした。
 著者鈴木五郎氏は「墜とされても堕とされれても敢然と、そしてさりげなく爆撃に向かう『ランカスター』の乗員たちは、日本における特攻隊員とまさに同じ姿である。彼らは戦争仕掛人(ナチス・ドイツ)に対してこらしめの出撃を行い、大英帝国の栄光の前に、さりげなく死んで行った。そして彼らの戦略絨毯爆撃によって、何十万、何百万のドイツ人が傷つき、死んで行った。戦争の悲劇は、勝者も敗者も変わりはない。」と、まえがきに記している。

 有名なエピソード、「ダムバスター」の章からはじまり、アブロ練習機からデルタ翼のアブロ・バルカンまでのアブロ社の歴史をも描いている。A.V.ローが作ったから、アブロなんだ。




1 アブロ「ランカスター」
2 デハビラント「モスキート」
3 コディ「カセドラル」
4 「ロー2」
5 ライト1908
6 ボアザン
7 アンリー・ファルマン
8 ブレゲー
9 カーチス
10 ブレリオⅪ
11 アントワネット
12 B・E・1
13 B・E・2
14 B・S・2(S・E・2)
15 D・H・4
16 D・H・60「モス」
17 D・H・89「ドラゴンスピード」
18 「コメット」
19 ハンドレペイジA
20 ハンドレペイジD
21 ハンドレペイジE
22 ハンドレペイジ「ハリファックス」
23 アブロ「メイフライ」
24 「フィリップス1」
25 「フィリップス2」
26 ライト「フライヤー」
27 ショート「エンパイア」
28 ショート「サンダーランド」
29 ソッピース「パップ」
30 ソッピース「キャメル」
31 バージェス・ライト
32 「バットボート」
33 アブロ「マーキュリー」(ロー3)
34 「ロー4」
35 アブロ500
36 アブロF
37 ドゥペルデュサンB型
38 モラヌ・ソルニエーG型
39 アンリー・ファルマン3型
40 モーリス・ファルマンMF7
41 ブレゲー3型
42 モラヌ・ソルニエーG型
43 ブリストル「ボックスカイト」
44 ショートS27
45 アブロG型
46 エトリッヒ「タウベ」
47 カーチス「ゴールデンフライヤー」 
48 ライト「ベビー」
49 ヴィッカースB・2
50ヴィッカースF・B・7
51 ヴィッカースF・B・11
52 アブロ501
53 アブロ504
54 アルバトロスD1
55 ゴータ爆撃機
56 ブリストルF・2B
57 フォッカーDrⅠ
58 AEG複葉単発機
59 デハビランドDH16
60 ハンドレペイジO/400
61 ファルマン「ゴリアテ」
62 カーチス「ジェニー」
63 D・H・53「ハミングバード」
64 D・H・60「モス」
65 アブロ「オルダーショット」
66 ハンドレペイジ「ハイデラバード」
67 ヴィッカース「バージニア」
68 フォッカーFⅦb/3
69 フォード「トライモーター」
70アブロ5
71 アームストロング・シドレー「ジェニット」
72 アブロ6
73 アブロ製フォッカー
74 アブロ10
75 アブロ「エビア」
76 デハビランド「ジプシーモス」
77 アブロ「チューター」
78 アブロ「シーチューター」
79 セスナA
80 ビーチクラフト17B
81 ヴィッカース「ビミー」
82 ハンドレペイジV/1500複葉四発機
83 カーチスNC飛行艇
84 ヴィッカース「バルチュア」
85 フォッカーC・4
86 ダグラス・ワールドクルーザー
87 ライアン「スピリット・オブ・セントルイス」
88 ロッキード「ヴェガ」
89 ラテコエール28
90ベランカ「スカイロケット」
91 スーパーマリン「シーライオン」
92 サボイアS51
93 マッキM7
94 カーチスR3C
95 スーパーマリンS4
96 マッキM39
97 スーパーマリンS5
98 グロスターⅣ複葉レーサー
99 M52
100 スーパマリンS6
101 M67
102 Mc72
103 スーパマリン「スピットファイア」
104 メッサーシュミットMe209
105 アブロ641「コモドア」
106 アブロ652
107 アブロ「アンソン」
108 ロッキード「オライオン」
109ロッキード「ハドソン」
110メッサーシュミットMe109
111 ホーカー「ハリケーン」
112 ハインケルHe111
113 ボーイングB17
114 アームストロング「ホイットワース・ホイットレー」
115 ヴィッカース「ウェリントン」
116 アブロ「マンチェスター」
117 ハンドレペイジH・P・56
118 ハインケルHe177「グライフ」
119 フォッケウルフFw200
120 コンソリデーテッドB24
121 ボーイングB29
122 一式陸上攻撃機
123 100式重爆「呑竜」
124 ユンカースJu88
125 ドルニエDo17
126 ユンカースJu89
127 ユンカースJu87
128 メッサーシュミットMe110
129 ハインケルHe219
130 P-47
131 P-38
132 P-51
133 Me262
134 アブロ「チューダー」
135 アブロ「ヨーク」
136 デハビランド「コメット」
137 ロッキードP3C
138 グラマンE2C
139 アブロ「シャクルトン」
140 アブロ「バルカン」
141 アブロ「バリアント」
142 アブロ「ビクター」
143 B-52
144 B-2
145 アブロ「アロウ」
146 アブロ「キャナック」
147 ショート「スカイバン」
148 「ハリアー」
149 「シーハリアー」
150「ニムロッド」
151「コンコルド」


光人社NF文庫
鈴木五郎
2006年11月11日版

双胴の悪魔:P-38

全編P-38づくしです。
これまでの概念をこえて新しい飛行機を作ろうとした苦労や失敗の積み重ねが興味深い。
飛行機誕生の話はみな同じように苦労話がついてまわるけれど、いづれも人間味くさくて戦闘場面の話よりずっと面白いと思ってしまう。

ダイブブレーキがつくまでの初期型は急降下速度が早くなりすぎて、引き起こし下できなかったため、しばしば空中分解事故を起こしたようだ。音速に近い速度まで近づいた例もあるらしい。

また、戦争が始まってからのバタバタで、大西洋を空輸するときに行方不明や事故がおきたことなどが記されている。本来の戦闘前に事故で飛行機や搭乗員が消耗することはどこの国でもにたようなことが起きている。

P-38は、そのナンバーからわかるように設計はかなり早い時期から始めている。
しかし、完成には時間がかかり、それでも戦場に登場したときにはその力を十分に発揮することができた。ヨーロッパ戦線だけでなく太平洋戦線でも活躍し、遠距離飛行ののちに山本五十六大将の搭乗する一式陸上攻撃機を撃墜したミッションでも有名。
双胴ゆえに、脱出時に尾翼に打たれて死んでしまうことが多かったり、双発なのに片肺飛行が難しくて墜落が多かったりと、へえというようなことが多くかかれていた。

読み応え十分、面白い一冊でした。

登場する飛行機
2 ボーイングB-17G
3 コンソリデーテッドB-24J
4 マーチンB-26マローダ
5 ダグラスA-26インヴェーダー
6 ビーチC-45エクスペディター
7 ダグラスC-47スカイトレイン
8 フェアチャイルドC-119
9 ボーイングB-47Eストラスジェット
10 ノースロップF-89スコーピオン
14 ベルP-63キングコブラ
15 ノースアメリカンP-82ツインムスタング
16 スピットファイア14型
20 グラマンF8Fベアキャット
22 フェアチャイルドPT19型
23 ヴァルティBT13型
24 ノースアメリカンT6テキサン
25 零戦
26 ダグラスA-20ハヴォック
27 ノースアメリカンB-25ミッチェル
28 ボーイングB-29スーパーフォートレス
31 ダグラスB-23ドラゴン
32 ハインケルHe111
33 ユンカースJu87
37 ノースロップP-61ブラックウィドウ
38 
40 ホーカーハリケーン
41 ヴァルティXP-54
42 ロッキードXP-38
43 グラマンXP-50
44 グラマンXF5F-1
45 ロッキードYP-38
46 ロッキード・ロードスター
47 ハドソン爆撃機
48 カーチスSB2C-4ヘルダイバー
49 フォッケウルフ200K四発爆撃機
50 九七式大型飛行艇
52 XS-1
53 ロッキードP-80
54 C-130輸送機
55 サヴォイア・マルケッtィSM82
56 メッサーシュミットMe323
58 AT-6練習機
59 AT-9練習機
60 P-43
61 メッサーシュミットMe210
63 二式水上戦闘機
64 ベルP-400
65 Mig-15
66 F86


マーチン・ケイディン
朝日ソノラマ文庫
昭和58年11月15日初判


空母ガムビアベイ














 この本は正確には飛行機本ではなく艦船本なんです。でも、アベンジャーを積んでいた空母の本ということでお許しを!作者のエドウィン・ホイトは「潰滅ーシュペー艦隊の最後 」や「海の勇者ー巡洋艦エムデンの乗組員たち」など軍艦に関わるドキュメントを多く書いています。この「空母ガムビアベイ」も太平洋戦争時に急造された小型護衛空母の戦いとその乗組員を描いたドキュメンタリーです。

 真珠湾攻撃を受けてから計画されて作ったアメリカの小型護衛空母は、突貫工事の間に合わせで作られ、所属する飛行隊も開戦時にはまだ民間人(ほとんどが17~18歳)だった者で構成されていた。乗組員もパイロットも戦争が始まってから寄せ集められた大いなるシロウト集団であり、船も飛行機も戦争が始まってから作られた急造品であったのだ。そのような空母ガンビアベイの建造や乗組員やパイロットの徴募から書き始め、戦い、沈没、漂流、その後まで追っている。

 消耗するアベンジャーやヘルキャットの様子が生々しく書かれている。離着艦で海に落ちたり、他の飛行機にぶつかったり、どんどん飛行機が壊れパイロットが亡くなっていく。戦闘以上に事故での消耗が大きかったし、乗組員の苦労も大変だったことが分かる。

登場する飛行機は
1 PBY飛行艇
2 F2B単座戦闘機
8 スティンソンOY-1(グラスホッパー)
9 ベティ(一式陸攻)
10 ジュデイ(彗星艦爆)
11 ケイト(九七艦攻)
12 P-47
13 P-61夜間戦闘機
14 「洗濯機チャーリー」(水上偵察機)・・・なんだろう、日本の飛行機なんだけど
15 サリー(九七式重爆撃機)
16 リリー(九九式双発軽爆撃機)
19 バル(九九艦爆)


E・P・ホイト
学研M文庫
2002年7月15日発行


ミッドナイト・スラスト


冒頭に「この物語はフィクションである。しかしここに描かれたことは、ほとんどが実際にあった出来事である」と記されていて、献辞が「航空管制官としてその場にいた父へ」となっている。
否が応でも、臨場感を盛り上げてくれます。

舞台は、1953年。スターリンが脳溢血で倒れたことから始まる世界危機を描いています。
スパイが出てきたり、軍人たちの思惑が絡んだり東西冷戦の中の緊張の4日間の物語。
ミグ15とかF-84とか初期のジェット戦闘機が活躍します。
そして、コンソリデーテッド・ヴァルティB36(ピースメーカー)が主人公。
アメリカからヨーロッパまで飛んで行って爆弾を落とすことを考えて作られた爆撃機。
10,000ポンドを搭載し、10,000マイル飛んで行ける「Ten Ten Bomber」として第二次世界大戦中に計画されました。
実際に完成したのは1946年で、最初は6発レシプロ機だったが、水力不足のためジェットエンジンも4発つけられたといいます。
10発機ですよ。
マグネシウム合金でできていたため、墜落すると跡形なく焼失することが多かったという。
理科の実験を思い出しました。
怖いですね。

1 ミグ15
2 B-29
3 F-84
4 F-86
5 B-36
6 B-52
7 B-17
8 B-24
9 C-54


ハロルド・キング 著
小梨 直 訳
東京創元社
1989年6月2日

北欧空戦史




フィンランドを中心とした北欧の第二次世界大戦の空戦史。
ドイツとロシアの二大軍事国家に囲まれて、侵略の危機の中で生き延びた北欧三国。
その戦いは、わずかなオンボロ飛行機で戦い取ったものです。
第二次世界大戦を北欧の立場でとらえてみると、新たな発見や驚きがたくさんあります。

PISA学力の高さで日本でも話題のフィンランドが、巨大国家ソビエトにいかに戦ったか。
「フィンランド上空の戦闘機」よりも翻弄されるフィンランドの動きが分かりやすかったです。

アメリカやイギリスやイタリヤから飛行機を買い付け
ドイツからも供給を受け
果てはソ連軍から分捕ったり、撃墜した機体を寄せ集めたりして
戦い続け、独立を守った。
ソ連が押し寄せようとしたときはドイツと結んでソ連と戦い、
ソ連と協定が結ばれれば連合軍としてドイツと戦った。
機を見て敏と言えなくもないが
あくまでも自分の国の独立を保持するため。
44機のブリュースター・バッファローを大切に使い、
しかもソ連の戦闘機をばったばったとなぎ倒す名機にしてしまった。
本国ではお荷物扱いだったバッファローが「空の真珠」と讃えられた。
(なんか・・・NHKのプロジェクトX調ですね)

北欧の空での戦いは、軍事大国の二戦級の飛行機オンパレードである。
格落ちした古い機種、量産したけど不具合があった機種、分捕った機種、使いものにならなかったけどだまして売り込んだ機種・・・。
軍事大国の間で苦しめられ、乏しい予算で飛行機を調達しなければならなかったためである。

著者の中山さんは本業は医師なんだそうだけど、
この本は読み物としても面白いし、
北欧3国の歴史としても読ませるものがある。
飛行機の技術面での記述も興味深い。
写真も豊富。
取材も丁寧だし、おまけに当時のエースたちとの座談会記録まで付いている。
お得なハナマルの一冊でした。

1 サーブJ37ビゲン
2 サーブJ21R
3 サーブJ32
4 サーブJ35
5 ブレリオ単葉機
6 ファルマンF-23
7 アルバトロスC-Ⅲ
8 モラン・ソルニエ・パラソル複座高翼単座偵察機
9 ルンプラー・タウベ単葉機「発祥号」
10 モーリス・ファルマン水上機
11 ハンザ・ブランデンブルグW-33単葉複座水偵
12 ブレゲー14
13 マーチンサイドF-4バザード単座戦闘機
14 グールドウ・ルサールGL-21単座戦闘機
15 コードロンC-60練習機
16 レトフ・スモリク複座練習機
17 フェニックス222複座戦闘機
18 フィアットBR-1爆撃機
19 ニューポール29C-1戦闘機
20 ハインケルHD-16
21 ハインケルHD-36
22 フォッカーC5-E(J3)複座軽爆撃機
23 フォッカーJ6ヤクートファルク
24 SK-10「虎燕」型練習機
25 デハビランド・タイガーモス
26 ブリストル・ブルドッグⅡA単座戦闘機
27 ホーカー・ハート
28 オスプレイ系爆撃機
29 FF-9カイエ練習機
30 ハノーバーCL-V複座複葉偵察機
31 MF-9単座水上戦闘機「ホーバー戦闘機」
32 MF-10
33 MF-11
34 90水偵
35 ダグラスDT-2
36 フォッカーC5-D
37 フォッカーC5-E
38 デハビランドDH-60Mモス
39 ホーカー・フューリー
40 フォッカーD-7
41 フォッカーD-13
42 ハインケルHe17
43 フリードリッヒスハーフェンFF-49
44 ポリカルポフR-1
45 グリゴロビッチI-2
46 ポルカルポフI-3
47 ツポレフI-4
48 グリゴロビッチ・ポリカルポフI-5
49 TB-1双発重爆
50 U-1(アブロ504)
51 U-2(Po-2)
52 ユンカースH21戦闘機
53 ユンカースH22戦闘機
54 ユンカースF13爆撃機
55 ユンカースA20偵察機
56 ユンカースK47全金属製単葉戦闘機
57 フォッケウルフFw39
58 ハインケルHe45
59 ハインケルHe46
60 アラドAr64
61 ドルニエDo-P4発重爆
62 ドルニエDo11双発重爆
63 ハインケルHe59双発中爆
64 ロールバッハ・ローランド三発重爆
65 ドルニエDo-X
66 ポリカルポフI-16
67 SB-2
68 ANT-25
69 ANT-37
70 TB-3
71 TB-5
72 TB-1
73 フィアットCR-32複葉戦闘機
74 ハインケルHe115水上雷撃機
76 カプロニCa310「干鱈」
77 リベッチオ双発軽爆撃機
78 ブラックバーン・リポン複葉水上偵察機
79 フォッカーC−5水上機型
80 ユンカースW34水上機
81 グロスター・ゲームコック
82 ブリストル・ブルドッグⅣA
83 フォッカーD21
84 モラン・ソルニエMS-406
85 ブリストル・ブレニムⅠ型
86 フォッカーC-10複葉機
87 ユンカースJu86K(サーブB3)
88 ダグラスDB-8A(サーブB5)
89 J6ヤークトファルク
90 ハインケルHe100
91 P-11
92 ロス
93 カラス
95 ブリュースターB239バッファロー
96 フィアットG-50
97 コードロンC-713単葉戦闘機
98 ホーカー・ペガサスハート軽爆撃機
99 ポリカルポフI15
100 TB-3
101 イリューシンDB-3爆撃機
102 ポリカルポフI-152
103 ダグラスDC-2
104 コールホーフェンFK-52
105 ロッキード・エレクトラ
106 ハドソン爆撃機
107 ホーカー・ハリケーンⅠ型
108 ライサンダー直接協同機
109 コードロンC-714
111 セバスキーEP-1
112 セバスキーEP-106
113 バルティー48Cバンガード
114 リパブリック2PA-L
115 ドルニエDo215
116 ブレゲーB-694
117 フォッカーG-1
118 フォッカーT-8双発軽爆撃機
119 ノースロップ8A-1
121 リンチェピンL10(サーブ17型)
122 スホーイSu-2
123 B-25
124 ドルニエDo17Z
125 リンチェピンL11(サーブ18型)
126 リンチェピンL12単座戦闘機(サーブ19型)
127 セバスキーEP-106(J9)
128 97艦上攻撃機
129 カーチス・ホーク75A-6
130 ダグラスDB8A-5急降下爆撃機
131 ノースロップN-3PB水上偵察機
134 カプロニCa310リベッチオ
135 ウェリントン
136 アラドAr196水上偵察機
137 スーパーマリン・スピットファイア
138 ブラックバーン・スクエア
140 ユンカースJu87
142 ドルニエDo26飛行艇
143 タイガーモス
144 フェアチャイルドPT-19
145 ノースロップ8A-5急降下爆撃機
146 ノースアメリカンT-6テキサン
147 バルティー48Cバンガード
148 フィアットCR42戦闘機
149 レジアーネRe2000単葉戦闘機
150 カプロニCa313双発軽爆
152 サーブJ21
153 P-39
154 P-40
155 A-20
156 B-25
157 PBY
158 MiG-3
159 ラボーチキンLaGG-3
160 Yak-1/7
161 B-17
162 ペトリャコフPe-2
163 メッサーシュミットMe109T艦載戦闘機
164 シーハリケーン
165 フォッケウルフFw200C
166 深山
167 ブローム・ウント・フォスBv138
168 La-5
169 Il-2
171 DC−3
172 B-25
173 La-7
175 イリューシンDB3
178 スピットファイアV型
179 スピットファイアⅨ型
180 ショート・サンダーランド
181 PBYカタリナ
183 シェルデS21
184 バルティーXP54
185 三菱J4M1閃電
186 満州飛行機キ-98
187 キ94
188 サーブJ23
189 サーブJ22
191 零戦
192 サーブJ21001
193 Ms406ラグ・モラーヌ(クリモフM105Pエンジン喚装MS406)
194 MiG21F
195 デ・ハビランド・バンパイア
196 モスキートNF19夜間戦闘機
197 サーブJ21Rジェット戦闘機
198 ヤコブレフYak-15
199 スーパマリン・アタッカー
200 サーブJ29
201 ホーカー・ハンターF4
202 サーブT18
203 サーブJ35ドラケン
204 サーブA32ランセン
205 サーブJ37ビゲン

中山雅洋
学研M文庫
2007年11月27日発行

瀕死の戦闘機隊




原題は「DIE STERBENDE JAGD」
松谷健二さん訳のドイツ文学です。
「明日をも知れぬ戦闘の中、彼らはいかに生き、死んでいったの?第二次世界大戦を舞台に、大空に生きる男たちの姿を情感こめて描く、ドイツ戦争文学の傑作!」と裏表紙に書かれています。確かに拡張高い、文学作品ですので、読むには覚悟がいるかも。

第二次世界大戦末期のフォッケウルフF190戦闘機隊の日常です。
主人公を限定せず、群像として描き、しかもストーリーが展開するわけでもなく、エピソードがつらなっていくので、読むのがつらいです。
3回挑戦して、いつも途中で挫折。
今回も前半は丁寧に読み進んだのですが、後半は読みとばしてしまいました。

搭乗する飛行機は以下のとおり。
1 シュトルヒ
4 モスキート

早川文庫
昭和54年初版
ゲルト・ガイザー
松谷健二訳



リアル・グッド・ウォー




戦記というよりむしろ純度の高い青春文学です。
アメリカでの訓練からイギリスにあたっての35回のミッションを終えるまでのB-17の航法士の物語。
ほんのさっき、爆撃行から帰ってきて、ゲロまみれの酸素マスクを手に持って、おびえながらそこに立っている21歳の若者の苦悩。
ミッションのたびに確実に仲間が消えていく。
35回を生き残れるチャンスは運命のわずかな差に過ぎないのです。
主人公の言動は、内面へ内面へと向かっていきます。
1回、1回のミッションは常に死が身近にあることを痛切に感じさせられます。
訳者によれば、77歳の処女作だって。
たまげたね。

登場する飛行機は

1 B17Gフライング・フォートレス
2 B24リベレーター
3 メッサーシュミットMe109
4 フォッケウルフFw190
5 P51マスタング
6 P47サンダーボルト
7 メッサーシュミットMe262
8 B26


光人社NF文庫
サム・ハルバート
栗山洋児訳

不屈の鉄十字エース





撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの半生

昔の少年向け雑誌の特集記事に出てくるような題名だが、なかなか侮りがたい内容だった。
352機撃墜というのも信じがたい数字だが、決して誇張なんかではなく、また強弱がはっきりした戦いだったわけでもなく、生き残る者がだんだん強くなるという戦いの自然淘汰がそこにあったのだ。

エピソードとしては、ソ連に抑留されてから10年間の話が興味深かった。
不屈のという題は、収容所での彼の生き方につけられたもの。
よわいものいじめを許さず、他の収容者を代表して、何度も自らの死をかけて戦い続けた。
自分の生き方に厳しく律していたことが、戦争中の352機撃墜という数字にも現れていたのだ。


それにしても戦後のドイツ空軍での処遇が不当であった。
現場主義の彼の生き方とご都合主義の官僚化した軍との戦いは、自ら身を引く彼の引退に幕を下ろす。
サムライだね。

2 Ju87シュツーカ
4 Il-2シュトルモヴィク
5 LaGG-3
6 Me262
7 MiG-1
8 ダグラス ボストンⅢ
9 U-2
10 La-9
11 La-5
12 P-2
13 Il-10シュトルモビク
16 スピットファイア
17 B-17空飛ぶ要塞
18 B-24リベレーター
19 I-16ラタ
20 I-15
21 I-151
22 I-153
23 MiG-3
25 モスキート戦闘爆撃機
26 Yak-9
27 Yak-10
29 Yak-11
30 T-6
31 T-33
32 F-84
33 F-104
34 F-86
35 セイバー・マークⅥ(カナダ製F86)
36 F-100
37 F-102


ソビエト航空戦




ソビエトの飛行機も奥が深い。
分け入っても分け入っても青くなるその深さに恐れ入るのでアル。
ラ5だのI16だのIl2だの名前は知ってはいても、その野暮ったさにソ連の飛行機は敬遠しがちでありました。
でも生産数はアメリカに負けないくらい多いし、飛行機大国には違いない。
赤軍大粛正で、将軍も技術者も軍人も工場労働者もどんどこ処刑されたのに。
不思議。

それにしても、恐るべし飯山幸伸氏。
詳細です。
「はじめに」で「どこまで反映できたか心もとない」と述べておられますが、 何十年もソ連で研究していたんですか・・・。
例によってサブタイプまで丁寧に書かれいる。
全貌という文字がピカピカ輝いている。
といっても、ソ連の飛行機なんてI-16しか知らないですが、私は。
それに、飯山氏は図面も書いている。
これもまたスゴすぎ。
どこから資料を集めてくるんでしょうね。
不思議。

でも、どうしてソ連の飛行機って野暮ったい感じがするんでしょう。
佐貫亦男先生も、あの塗装は好きになれないと書いていましたが。
これでもかってほど、不細工にデザインし、きたない色をぶちまけて仕上げた感じ。
しかし、頑丈さは伝わってくる。
ソ連時代の戦争映画も最近レンタルビデオで見られるようになりましたが、
映画に出てくる兵隊さんもやはり野暮ったくて頑丈さだけが印象に残ります。
不思議。

では、登場する野暮ったい飛行機の数々をご紹介

1 モジャイスキー「空中飛行機械」
2 ライト「フライヤー1号」
3 シコルスキー「H13]
4 シコルスキー「H60」
5 シコルスキー「グランド」
6 シコルスキー「イリヤ・ムロメッツ」
7 ニューポール
8 S-XVI
9 レベッド11
10 レベッド12
11 アナトラDDS
12 グリゴロヴィッチM-5
13 グリゴロヴィッチM-9
14 グリゴロヴィッチM-11
15 グリゴロヴィッチM-15
16 グリゴロヴィッチM-16
17 ボアザン
18 ファルマンF・30
19 ソッピース11/2ストラッター
20 RBVZイリヤ・ムロメッツIM-V
21 セバスキーP-35
22 リパブリックP-47サンダーボルト
23 デハビランドDH-4
24 デハビランドDH-9
25 アブロ504K
26 スパッド
27 モランソルニエ・パラソル
28 SVA偵察機
29 ツーリンD偵察機
30 フォッカーEV
31 アルバトロスDⅢ
32 アンサルド
33 サボイアマルケッティ
34 GAZ-1「R-1」(DH-9)
35 U-1(アブロ504)練習機
36 フォッカーDVⅡ
37 フォッカーDXⅢ
38 ツポレフANT-1
39 ツポレフANT-2
40 ユンカースJu20
41 ユンカースJu21(=H21)
42 ユンカースPS-4(=W33)
43 グリゴロヴィッチI-1
44 グリゴロヴィッチI-2
45 グリゴロヴィッチI-Zet
46 グリゴロヴィッチIP-1
47 ツポレフI-4
48 ツポレフI-4bis
49 ポリカルポフIL-400
50 ポリカルポフIL-400bis
51 ポリカルポフI-3
52 ツポレフANT-4
53 ツポレフGAZ-22TB-1
54 ツポレフTB-1P
55 ツポレフANT-6
56 ツポレフG-1
57 ツポレフTB-2
58 ツポレフR-6
59 ツポレフPS-7旅客機
60 ツポレフTB-3
61 ハインケルHe20
62 ブリテンファースト
63 ボーイング247
64 ツポレフG-2
65 ツポレフTB-3-4M-34FRN
66 ポリカルポフR-5偵察機
67 ポリカルポフP-5
68 ポリカルポフR-5a(MR-5)
69 ポリカルポフR-5T
70 ポリカルポフPO-2(U-2)「ベッド・チェック・チャーリー」
71 ドルニエ・ヴァール
72 サヴォイアS・55
73 サヴォイアS・62bis
74 シャフロフSh-1
75 シャフロフSh-2
76 MBR-2
77 ハインケルHD55飛行艇
78 MDR-2
79 GAZMP-1輸送飛行艇
80 MP-1T貨物輸送機
81 MP-1Bis輸送飛行艇
82 チェトベリコフMDR-3
83 ツポレフANT-27
84 ツポレフANT-27(MDR-4)
85 ツポレフMDR-4
86 チェトベリコフMDR-6
87 ベリエフKOR-1
88 コンソリデーテッド・カタリナ
89 GST飛行艇
90 ツポレフANT-25(DB-1)
91 ライアンNYP-2改(スピリット・オブ・セントルイス)
92 ベランカ・スカイロケット改(ミス・ヴィードル) 
93 航研機
94 ヴィッカース・ウェルズレイ
95 フェアリー長距離機
96 ツポレフANT-37
97 ツポレフANT-37Bis
98 イリューシンTsKB
99 イリューシンTsKB-30
100 イリューシンDB-3
101 ポリカルポフI-5
102 ポリカルポフI-6
103 ポリカルポフTsKB-3戦闘機(チャイカ)
104 ポリカルポフI-15
105 ポリカルポフTsKB-3Bis(I-152、I-15Bis)
106 ポリカルポフI-153
107 グラマンF3F
108 コチェリギンDI-6
109 ポリカルポフI-16
110 ツポレフI-14(ANT-31)
111 グリゴロヴィッチI-Z
112 グリゴロヴィッチIP-4
113 ツポレフANT-31・I-14
114 ボーイングF7B
115 コンソリデーテッドP-25
116 ロッキードP-24
117 ポリカルポフTsKB12
118 ポリカルポフTsKB12Bis
119 ポリカルポフUTI-2複座練習機
120 ポリカルポフI-16-4
121 ポリカルポフI-16-5
122 ポリカルポフUTI-4練習機
123 ポリカルポフI-16-10
124 ポリカルポフI-17
125 ポリカルポフI-18
126 ポリカルポフI-24
127 ポリカルポフI-27
128 ポリカルポフI-29
129 ツポレフSB
130 ツポレフDB2
131 アヴァイアB-71
132 ツポレフSB-2M
133 ツポレフPS-41輸送機
134 ポリカルポフR-5
135 ネーマンR-10
136 カーコフKhAI-1旅客機
137 ネーマンPS-5
138 スホーイSu-2
139 ヤコブレフYak-2
140 JuG-1爆撃機
141 PS-4輸送機
142 ユンカースJu52/3m
143 ハインケルHe51
144 フィアットCR32
145 サヴォイアSM81
146 ドルニエDo17E
147 ポリカルポフR-5ラサンテ偵察機
148 R-Zナターシャ爆撃機
149 メッサーシュミットBf109
150 ヤコブレフYak-1
151 ラボーチキンLaGG-3
152 ミコヤン・グレヴィッチMig-1
153 ミコヤン・グレヴィッチMig-3
154 ユンカースJu87
155 B-25
156 PON-1A
157 PTO-4連絡機
158 PN-3戦闘機
159 グロースター・グラディエーター
160 LKOD・KOD-1初級練習機
161 LKOD・KOD-2多用途練習機
162 PON-1
163 VEFイルヴィティスI-12
164 VEFイルヴィティスI-15a
165 VEFイルヴィティスI-15b
166 VEFイルヴィティスI-17
167 VEFイルヴィティスI-19
168 VEFイルヴィティスI-16試作戦闘機
169 ドボアチンD501
170 アンサルドA-102
171 アンボ4
172 アンボ5
173 アンボ41
174 アンボⅧ
175 ハンザ・ブランデンブルグ水上機
176 IVL・A22
177 グロースター・ゲームコック
178 デハビランド60モス
179 ブラックバーン・リポン
180 レトフS218
181 セースキ練習機
182 ツイスク練習機
183 コトカ爆撃機
184 フォッカーDXXI
185 ブリストル・ブレニムMk・I
186 ブリストル・ブレニムMk・Ⅳ
187 スピットファイア
188 ハリケーン
189 VLフォッカーCX
190 フィアットG50
191 モランソルニエMS406
192 ダグラスDC-2
193 ツポレフSB-2M-100
194 ツポレフSB-2M-103
195 アルハンゲリスキーAr-2
196 イリューシンⅡ-4
197 ペトリヤコフPe-2
198 イリューシンDB-3F
199 ヤコブレフAIR-5
200 ヤコブレフAIR-6
201 ヤコブレフAIR-14
202 ヤコブレフUT-1
203 ヤコブレフAIR-10
204 ヤコブレフYa-20
205 ヤコブレフUT-2
206 ポリカルポフU-2
207 ヤコブレフYak-4
208 ヤコブレフI-26軽戦闘機
209 ヤコブレフI-27転換訓練用戦闘練習機
210 ヤコブレフI-28高高度戦闘機
211 ヤコブレフI-30機関砲搭載戦闘機
212 ラボーチキンI-22
213 ラボーチキンI-301(LaGG-1)
214 ポリkルポフI-180
215 スホーイSu-1
216 ビスヴァットSK
217 パシニンI-21
218 シルヴァンスキーI-220
219 ヤコブレフYak-1B
220 ヤコブレフYak-1M
221 ペトリヤコフVI-100
222 ペトリヤコフPB-100
223 ペトリヤコフPe-3
224 ペトリヤコフPe-3Bis
225 ペトリヤコフPe-2M-82
226 フォッケウルフFw190
227 イリューシンⅡ-2
228 イリューシンIl-4
229 スホーイBB-1
230 ツポレフANT-51
231 ヤコブレフYa-22
232 ヤコブレフBB-22
233 ヤコブレフR-12
234 ヤコブレフI-29
235 ツポレフTB-1
236 G-1
237 G-2
238 PS-35
239 ダグラスDC-3
240 リスノフLi-2
241 ダグラスC-47
242 コンソリデーテッドPBY-1
243 アムトーグGST
244 MP-7
245 KM-2
246 イェルモラエフYer-2
247 Stal-6
248 DAR飛行艇
249 Stal-7
250 DB-240
251 ヴァクミストロフZ-7
252 ユンカースJu86P
253 ブリュースター・バッファロー
254 ベルP-39
255 カーチスP-40
256 メッサーシュミットBf110
257 ハインケルHe111
258 ドルニエDo17Z
259 ドルニエDo215
260 フィーゼラーFi156
261 ヘンシェルHs126
262 ヘンシェルHs123
263 ブローム・ウント・フォスBv141
264 フォッケウルフFw189
265 ドルニエDo217
266 フォッケウルフFw200C
267 ユンカースJu290
268 ハインケルHe177
269 メッサーシュミットMe321
270 ハインケルHe111Z(5発機)
271 ゴータGo242グライダー
272 フォッケウルフFw58
273 ハインケルHe114
274 アラドAr196
275 ハインケルHe112
276 ハインケルHe170
277 メッサーシュミットMe210
278 マンフレッド・ヴァイスWM21セリョーム
279 レヴェンテ連絡機
280 レッジアーネRe2000
281 ヘジャⅡ
282 ポテ633
283 PZL23
284 PZL37
285 RWD14
286 サヴォイアS55
287 カントZ501
288 IAR37軽爆
289 IAR38
290 IAR39偵察機
291 IAR80戦闘機
292 JRS79双発爆撃機
293 SET7近接支援機
294 フィアット50
295 カーチスH75ホーク
296 VLミルスキー
297 アヴァイアB-534戦闘機
298 レトフS-328偵察爆撃機
299 アエロA-100偵察爆撃機
300 アエロA-101系爆撃機
301 アエロA-304
302 ドルニエDo-17K
303 ポテ25
304 ブレゲーXIX
305 マッキC200サエッタ
306 カプロニCa311
307 ホーカー・ダックス
308 ハインド
309 デハビランドDH82
310 ハンプデン爆撃機
311 A-20(シャッター付きカウリング)
312 AT-6
313 P-63
314 B-25
315 ホルム
316 ヤコブレフYak-7UTI
317 ヤコブレフYak-B
318 ヤコブレフYak-7D
319 ヤコブレフYak-7DI
320 ラボーチキンLaGG-3
321 ラボーチキンLa-5
322 ラボーチキンLa-5UTI
323 ラボーチキンLa-7
324 ミコヤン・グレコヴィッチMig-9
325 ミコヤン・グレコヴィッチMig-11
326 ミコヤン・グレコヴィッチMig-7
327 ミコヤン・グレコヴィッチMig-13
328 ポリカルポフI-180
329 ポリカルポフI-185
330 ツポレフTB-7
331 ペトリヤコフPe-8
332 アブロ・マンチェスター
333 ヤコブレフYak-6
334 ユンカースJu290
335 ヤコブレフYak-9
336 ユンカースJu88
337 ホーカー・タイフーン
338 ラボーチキンLa-120
339 ラボーチキンLa-11
340 サモリェト100
341 サモリェト103(ツポレフTu-58)
342 ツポレフTu-2
343 MBR-7試作飛行機
344 ベリエフKOR-2
345 シチェルバコフShche-2
346 アヴィアB-33
347 ボーイングB17
348 フィーゼラーFi103(V1ロケット)
349 P-51
350 ミルスキーⅡ
351 フィアットCR42
352 WM21セリョーム偵察機
353 ドヴォアチンD520
354 四式戦闘機「疾風」
355 一式戦闘機「隼」
356 九九式襲撃機
357 九三式中型練習機
358 九七式軽爆撃機
359 V2ロケット
360 ツポレフTu-4(B29コピー機)
361 ツポレフTu-70旅客機
362 ミコヤン・グレコヴィッチMig-15
363 ノースアメリカンF-84
364 メッサーシュミットMe263
365 ロケット迎撃機I-270
366 超音速偵察機DFS346
367 ユンカースJu287ジェット爆撃機


光人社NF文庫
飯山幸伸
2003.10.16初版

メッサーシュミットを撃て




ブライアン・ケラハーのStorm-Birdsシリーズの第1作目。

コンピュータ(1945年当時の)が選び出したパイロット中のパイロット4人がドイツ軍のジェット機をテストするストーリー。
というわりには少しひよわなカーティスをのぞいて、みなキャラクターがかぶっていてだれがヒーローだかわからない。
また、連れてこられたドイツ軍のパイロットが反乱し、それを押さえるというストーリも貧弱と言えば貧弱。
当時の魅力的なヒコーキのある風景に無理やりストーリをねじ込んだという感じ。
ま、奇想天外なんだけどそれなりにヒコーキ好きには楽しめる。

2作目の「ツインムスタング出撃せよ」を読む前に、この本でキャラクターの予習をしておく必要がある。

登場するヒコーキ
1 ベルP-39エアラコブラ
2 XP-59エアラコメット
3 P-51ムスタング
4 メッサーシュミットMe-262
5 B-17
6 B-24
7 Me-163コメート
8 Me-109
9 0-62(パイパー・カブの軍用機版)
10 ビーチ・クラフト・モデル18
11 B-25
12 P-38
13 アラドAr-234
14 C-47
15 ハインケルHe162
16 サンダーボルト
17 C-87
18 フォッケウルフ
19 DC-3
20 C-54
21 F6Fヘルキャット
22 F8Fベアキャット
23 B-29
24 C-87
25 ロッキードP80Bシューティング・スター

新潮文庫
ブライアン・ケラハー
伏見威蕃
H5.9.25初版