大空の決戦




 どうも日本の戦記というのが苦手でつんどく本が多い。しかし、読み出すと面白い。
 この羽切松雄さんは、海軍志願兵としていわゆるカマたきの三等機関兵からパイロットに転向し、日華事変、太平洋戦争と戦闘機で戦ったとんでもない経歴の持ち主である。
 なにがとんでもないかっていうと、まず三等機関兵から搭乗員になる試験はとんでもない難関であること、それから10年以上も戦闘機で最前線で戦い続けて生き延びたということ。運や根性だけでなく、相当なクレバーさも文章からにじみ出てくる。大げさな表現がなく読みやすいのだ。鮮明に当時の状況が書かれているのは、記録もきちんととっていたんだろうな。
 「六機の護衛戦闘機」に出てくる杉田庄一が最初に撃墜された時、羽切さんは機上で目撃していて基地にもどってからジャングルに捜索に出かけたという場面も淡々と書かれている。

登場する飛行機
1 九〇艦戦
2 九三式中間練習機
3 九五艦戦
4 九六陸攻
5 九七式戦闘機
6 九九艦爆
7 B-17
8 B-24
9 B-25
10 B-29
11 F-13
12 F4F
13 F4U
14 F6F
15 P-38
16 P-39
17 P-40
18 P-51
19 SB爆撃機
20 イ15
21 イ16
22 一式陸攻
23 桜花
24 カーチス・ホーク
25 月光
26 三式艦戦
27 三式中間練習機
28 紫電一一型
29 紫電改
30 二式飛行艇
31 ハインケルHe112
32 雷電
33 零戦一一型
34 零戦二二型
35 零戦五二型
36 零戦六三型


朝日ソノラマ文庫
1994年3月20日初版
羽切松雄 著

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