B17空の要塞




 とにかく読み応えがありました。 レン・デイトンの「爆撃機」以来の重量級作品、1月以上かけて読了。B17の誕生から戦後までを描く、大叙事詩。

 B17の戦いは、さまざまな小説や映画などにされているが、決してその戦いが特異なものではなく、B17の戦いとしては日常的なものであったことが分かる。死ぬか生きるかの果たし合いをし続けるのが爆撃行なのだ。

 B17での敵地への侵入爆撃は、その1回1回が陸上での「ワーテルローの戦い」とか「アルデンヌの戦い」であり、海上での「トラファルガー海戦」や「ミッドウェー海戦」であったのだ。だから、25回も出撃して生き残るということが自体がとんでもない大記録となる(メンフィス・ベル)のだ。対戦を通じてドイツ軍機を一番撃墜したのが戦闘機ではなくB17だったということがその壮絶さを表している。

 B17のタフさがいくつものエピソードで描かれている。必ず撃たれ、対空砲火にさらされることを承知で突入していく・・・搭乗員も飛行機もタフであることを要求される。特に胴体を袈裟懸けに破壊されながら基地まで飛び続けた「オール・アメリカン」号のエピソードは、写真とともに見ると本当に驚く。

 予算削減の中で、高価だが高性能のモデル299はいったん破棄され、安価で役に立たないB18が採用される(B18は大いなる無駄遣いになってしまい、1年以上の戦時体制の準備が遅れるのだが)。一部関係者が、大局を考え、いかにしてこの飛行機を生み出そうとしたかというエピソードも読ませる。

1 B-17
2 ゼロ戦
3 ライトニング
4 エアコブラ
5 キティホーク
6 ワイルドキャット
7 コルセア
8 B-26
9 モデル299
10 マーチンMB-2
11 マーチンB-10
12 XB-15(C105)
13 ボーイングB-9
14 ダグラスDB-1
15 ツェッペリン=シュターケン
16 ハンドレー・ページV/1500
17 ドルニエDOX
18 ツポレフ-マキシム・ゴーリキー
19 B-18
20 B-29
21 B-47
22 B-52
23 KC-135
24 スピットファイア
25 メッサーシュミットMe-109
26 B-24
27 アブロ・ランカスター
28 ダグラスA-20
29 P-40A
30 P-35A
31 ダグラスA-24
32 PBY飛行艇
33 B-24
34 ハリケーン
35 ドーントレス
36 ボートSB2Uビンディケーター
37 ダグラスTBDデバステーター
38 B-26マローダー
39 P-38
40 P-51
41 フォッケウルフFw190
42 ユンカースJu87スツーカ
43 ユンカースJu88
44 ボーファイター
45 Mc-202
46 Re-2001
47 メッサーシュミットMe-110
48 YB-40
49 P-47
50 Me210


フジ出版
マーチン・ケイディン著 南郷洋一郎訳
昭和52年12月15日初版

撃墜王列伝




 撃墜王なんて言葉自体が死語であるが、それは置いといて撃墜王=エースである。エース・パイロットは10機(現在は5機)以上の撃墜記録を残した者に与えられる称号とされている。第二次世界大戦時のドイツ軍のパイロットの撃墜数は格段に多いが、東部戦線での数を頼みのソ連戦闘機との戦いや協同撃墜もエースに記録がカウントされる仕組みや休みなしで戦線におかれたパイロットの状況などが撃墜数を格段に増やしたと思われる。
 でも、それだけ人を殺したという記録なので、平和な世の中で考えると「どうかな・・・」という思いはある。
 日本では原則として個人撃墜の記録は残していないので、あやふやなままである。

第一次世界大戦時
1 リヒトホーヘン大尉
1 アルバトロスDⅠ
2 FE2b
3 フォッカーEⅠ
4 アルバトロスDⅡ
5 DH2
6 アルバトロスDⅢ
7 ハルバーシュタットDⅡ
8 スパッドSⅦ
9 ニューポール17
10 ソッピース三葉機
11 SE5
12 ブリストルF2A
13 アルバトロスDV
14 フォッカーDrⅠ
15 ソッピース・バップ
16 デハビランドD・H・5
17 アルバトロスDva
18 フォッカーDⅦ
19 ソッピース・キャメル

2 フォンク大佐
1 コードロンGⅢ
2 コードロンGⅣ
3 アルバトロスDⅢ
4 スパッドSⅦ
5 ニューポール17
6 ブリストルF2A
7 ベルP-63
8 スパッドSⅫCa1
9 シコルスキーS35
10 ルッバスールPL8「白鳥号」
11 ベランカ「コロンビア号」
12 ライアン「スピリット・オブ・セントルイス」
13 フォッカー「アメリカ号」

3 マノック少佐
1 SE5
2 アルバトロスDⅡ
3 アルバトロスDⅢ
4 ニューポール17
5 ブリストルF2A
6 ソッピース・キャメル
7 フォッカーDⅦ
8 FE2b


第二次世界対戦時
4 ハルトマン少佐
1 メッサーシュミットBf109
2 Il2シュトルモビク
3 スーパーマリン・スピットファイア
4 ラ5
5 ヤク7
6 エアラコブラ
7 P51ムスタング
8 フォッケウルフFw190
9 メッサーシュミットMe262
10 ダグラスA20ボストン
11 ペトリヤコフPe2
12 ヤク9
13 F104

5 マルセイユ大尉
1 スピットファイア
2 メッサーシュミットBf109
3 カーチスP-40
4 ハリケーン
5 Ju87スツーカ
6 Ju88

6 ガーラント中将
1 ハインケルHe111
2 フォッケウルフFw190A5
3 メッサーシュミットBf109
4 Bf110F
5 Ju88C
6 B17
7 B24
8 メッサーシュミットMe262
9 He162サラマンダー
10 P-51

7 ノボトニー少佐
1 Bf109G
2 フォッケウルフFw190A5
3 フォッケウルフFw190A6
4 フォッケウルフFw190D
5 メッサーシュミットMe262

8 マラン大佐
1 ダグラスD-1
2 スピットファイア
3 ホーカー・ハリケーン
4 メッサーシュミットBf109
5 スピット5
6 ノースアメリカン・ムスタング
7 カーチス・キティホーク

9 バーダー大佐
1 ブリストル・ブルドッグ
2 グロースター・ゲームコック
3 ッサーシュミットBf109
4 ハインケルHe111

10 ボクルイシュキン大佐
1 メッサーシュミットBf109
2 フォッケウルフFw190
3 メッサーシュミットMe262
4 ミグ3
5 ラボーチキン・ラ5
6 ラボーチキン・ラ7
7 エアラコブラ
8 ラグ3

11 クロステルマン中尉
1 フォッケウルフFw190
2 メッサーシュミットBf109
3 マローダー
4 スピットファイア
5 B17
6 ドルニエDo24
7 フィゼラーFi156
8 ユンカースJu88
9 ユンカースJu290
10 ハインケルHe111

12 ボング少佐
1 ロッキードP38
2 一式戦闘機隼
3 三式戦闘機飛燕
4 零戦
5 九九艦上爆撃機
6 百式司偵
7 一式陸上攻撃機
8 P47サンダーボルト
9 四式戦闘機疾風
10 ロッキードP80シューティングスター

13 オヘア少佐
1 カーチスP40
2 ブリュースター・バッファロー
3 グラマンF4Fワイルドキャット
4 九七式飛行艇
5 零戦
6 一式陸上攻撃機
7 グラマンF6Fヘルキャット
8 グラマンTBFアベンジャー

14 マッキャンベル中佐
1 グラマンF4Fワイルドキャット
2 グラマンF6Fヘルキャット
3 彗星
4 TBFアベンジャー
5 SB2Cヘルダイバー
6 紫電
7 紫電改
8 零戦
9 ヴォートF4Uコルセア

15 坂井三郎中尉
1 九六式艦戦
2 イ16
3 零戦
4 九八陸偵
5 カーチスP40
6 ボーイングB17
7 カーチスP36
8 ベルP39
9 スーパーマリン・スピットファイア
10 グラマンF4Fワイルドキャット
11 ダグラスSBDドーントレス
12 DC4

16 西沢広義飛曹長
1 九六式艦戦
2 零戦
3 カーチスP40
4 P39エアラコブラ
5 P40トマホーク
6 P40キティホーク
7 P38ライトニング
8 F4F
9 F6F
10 F4U
11 B24
12 B25
13 B26
14 B17
15 スピットファイア
16 零式輸送機

17 岩本徹三中尉
1 F4Uコルセア
2 SBDドーントレス
3 F6Fヘルキャット
4 零戦
5 PBY飛行艇
6 SB2Cヘルダイバー
7 P38

18 黒江保彦少佐
1 イ16
2 イ15
3 カーチス・ホーク
4 ボート・コルセア
5 九五戦
6 九七戦
7 一式戦闘機(隼)
8 二式戦闘機(鐘馗)
9 B29
10 バッファロー戦闘機
11 P38
12 モスキート
13 P51ムスタング

19 若松幸禧中佐
1 疾風
2 P47
3 B29
4 二式戦鐘馗
5 P51ムスタング
6 P40
7 B24
8 B25

20 穴吹智曹長
1 F6F
2 九七戦
3 P40
4 一式戦闘機隼
5 ブレニム
6 ウェリントン
7 B24
8 B25
9 ハリケーン
10 スピットファイア
11 P38
12 P36
13 九九双軽
14 P51

光人社NF文庫
1995年4月14日初版
鈴木五郎 著