B17空の要塞




 とにかく読み応えがありました。 レン・デイトンの「爆撃機」以来の重量級作品、1月以上かけて読了。B17の誕生から戦後までを描く、大叙事詩。

 B17の戦いは、さまざまな小説や映画などにされているが、決してその戦いが特異なものではなく、B17の戦いとしては日常的なものであったことが分かる。死ぬか生きるかの果たし合いをし続けるのが爆撃行なのだ。

 B17での敵地への侵入爆撃は、その1回1回が陸上での「ワーテルローの戦い」とか「アルデンヌの戦い」であり、海上での「トラファルガー海戦」や「ミッドウェー海戦」であったのだ。だから、25回も出撃して生き残るということが自体がとんでもない大記録となる(メンフィス・ベル)のだ。対戦を通じてドイツ軍機を一番撃墜したのが戦闘機ではなくB17だったということがその壮絶さを表している。

 B17のタフさがいくつものエピソードで描かれている。必ず撃たれ、対空砲火にさらされることを承知で突入していく・・・搭乗員も飛行機もタフであることを要求される。特に胴体を袈裟懸けに破壊されながら基地まで飛び続けた「オール・アメリカン」号のエピソードは、写真とともに見ると本当に驚く。

 予算削減の中で、高価だが高性能のモデル299はいったん破棄され、安価で役に立たないB18が採用される(B18は大いなる無駄遣いになってしまい、1年以上の戦時体制の準備が遅れるのだが)。一部関係者が、大局を考え、いかにしてこの飛行機を生み出そうとしたかというエピソードも読ませる。

1 B-17
2 ゼロ戦
3 ライトニング
4 エアコブラ
5 キティホーク
6 ワイルドキャット
7 コルセア
8 B-26
9 モデル299
10 マーチンMB-2
11 マーチンB-10
12 XB-15(C105)
13 ボーイングB-9
14 ダグラスDB-1
15 ツェッペリン=シュターケン
16 ハンドレー・ページV/1500
17 ドルニエDOX
18 ツポレフ-マキシム・ゴーリキー
19 B-18
20 B-29
21 B-47
22 B-52
23 KC-135
24 スピットファイア
25 メッサーシュミットMe-109
26 B-24
27 アブロ・ランカスター
28 ダグラスA-20
29 P-40A
30 P-35A
31 ダグラスA-24
32 PBY飛行艇
33 B-24
34 ハリケーン
35 ドーントレス
36 ボートSB2Uビンディケーター
37 ダグラスTBDデバステーター
38 B-26マローダー
39 P-38
40 P-51
41 フォッケウルフFw190
42 ユンカースJu87スツーカ
43 ユンカースJu88
44 ボーファイター
45 Mc-202
46 Re-2001
47 メッサーシュミットMe-110
48 YB-40
49 P-47
50 Me210


フジ出版
マーチン・ケイディン著 南郷洋一郎訳
昭和52年12月15日初版

撃墜王列伝




 撃墜王なんて言葉自体が死語であるが、それは置いといて撃墜王=エースである。エース・パイロットは10機(現在は5機)以上の撃墜記録を残した者に与えられる称号とされている。第二次世界大戦時のドイツ軍のパイロットの撃墜数は格段に多いが、東部戦線での数を頼みのソ連戦闘機との戦いや協同撃墜もエースに記録がカウントされる仕組みや休みなしで戦線におかれたパイロットの状況などが撃墜数を格段に増やしたと思われる。
 でも、それだけ人を殺したという記録なので、平和な世の中で考えると「どうかな・・・」という思いはある。
 日本では原則として個人撃墜の記録は残していないので、あやふやなままである。

第一次世界大戦時
1 リヒトホーヘン大尉
1 アルバトロスDⅠ
2 FE2b
3 フォッカーEⅠ
4 アルバトロスDⅡ
5 DH2
6 アルバトロスDⅢ
7 ハルバーシュタットDⅡ
8 スパッドSⅦ
9 ニューポール17
10 ソッピース三葉機
11 SE5
12 ブリストルF2A
13 アルバトロスDV
14 フォッカーDrⅠ
15 ソッピース・バップ
16 デハビランドD・H・5
17 アルバトロスDva
18 フォッカーDⅦ
19 ソッピース・キャメル

2 フォンク大佐
1 コードロンGⅢ
2 コードロンGⅣ
3 アルバトロスDⅢ
4 スパッドSⅦ
5 ニューポール17
6 ブリストルF2A
7 ベルP-63
8 スパッドSⅫCa1
9 シコルスキーS35
10 ルッバスールPL8「白鳥号」
11 ベランカ「コロンビア号」
12 ライアン「スピリット・オブ・セントルイス」
13 フォッカー「アメリカ号」

3 マノック少佐
1 SE5
2 アルバトロスDⅡ
3 アルバトロスDⅢ
4 ニューポール17
5 ブリストルF2A
6 ソッピース・キャメル
7 フォッカーDⅦ
8 FE2b


第二次世界対戦時
4 ハルトマン少佐
1 メッサーシュミットBf109
2 Il2シュトルモビク
3 スーパーマリン・スピットファイア
4 ラ5
5 ヤク7
6 エアラコブラ
7 P51ムスタング
8 フォッケウルフFw190
9 メッサーシュミットMe262
10 ダグラスA20ボストン
11 ペトリヤコフPe2
12 ヤク9
13 F104

5 マルセイユ大尉
1 スピットファイア
2 メッサーシュミットBf109
3 カーチスP-40
4 ハリケーン
5 Ju87スツーカ
6 Ju88

6 ガーラント中将
1 ハインケルHe111
2 フォッケウルフFw190A5
3 メッサーシュミットBf109
4 Bf110F
5 Ju88C
6 B17
7 B24
8 メッサーシュミットMe262
9 He162サラマンダー
10 P-51

7 ノボトニー少佐
1 Bf109G
2 フォッケウルフFw190A5
3 フォッケウルフFw190A6
4 フォッケウルフFw190D
5 メッサーシュミットMe262

8 マラン大佐
1 ダグラスD-1
2 スピットファイア
3 ホーカー・ハリケーン
4 メッサーシュミットBf109
5 スピット5
6 ノースアメリカン・ムスタング
7 カーチス・キティホーク

9 バーダー大佐
1 ブリストル・ブルドッグ
2 グロースター・ゲームコック
3 ッサーシュミットBf109
4 ハインケルHe111

10 ボクルイシュキン大佐
1 メッサーシュミットBf109
2 フォッケウルフFw190
3 メッサーシュミットMe262
4 ミグ3
5 ラボーチキン・ラ5
6 ラボーチキン・ラ7
7 エアラコブラ
8 ラグ3

11 クロステルマン中尉
1 フォッケウルフFw190
2 メッサーシュミットBf109
3 マローダー
4 スピットファイア
5 B17
6 ドルニエDo24
7 フィゼラーFi156
8 ユンカースJu88
9 ユンカースJu290
10 ハインケルHe111

12 ボング少佐
1 ロッキードP38
2 一式戦闘機隼
3 三式戦闘機飛燕
4 零戦
5 九九艦上爆撃機
6 百式司偵
7 一式陸上攻撃機
8 P47サンダーボルト
9 四式戦闘機疾風
10 ロッキードP80シューティングスター

13 オヘア少佐
1 カーチスP40
2 ブリュースター・バッファロー
3 グラマンF4Fワイルドキャット
4 九七式飛行艇
5 零戦
6 一式陸上攻撃機
7 グラマンF6Fヘルキャット
8 グラマンTBFアベンジャー

14 マッキャンベル中佐
1 グラマンF4Fワイルドキャット
2 グラマンF6Fヘルキャット
3 彗星
4 TBFアベンジャー
5 SB2Cヘルダイバー
6 紫電
7 紫電改
8 零戦
9 ヴォートF4Uコルセア

15 坂井三郎中尉
1 九六式艦戦
2 イ16
3 零戦
4 九八陸偵
5 カーチスP40
6 ボーイングB17
7 カーチスP36
8 ベルP39
9 スーパーマリン・スピットファイア
10 グラマンF4Fワイルドキャット
11 ダグラスSBDドーントレス
12 DC4

16 西沢広義飛曹長
1 九六式艦戦
2 零戦
3 カーチスP40
4 P39エアラコブラ
5 P40トマホーク
6 P40キティホーク
7 P38ライトニング
8 F4F
9 F6F
10 F4U
11 B24
12 B25
13 B26
14 B17
15 スピットファイア
16 零式輸送機

17 岩本徹三中尉
1 F4Uコルセア
2 SBDドーントレス
3 F6Fヘルキャット
4 零戦
5 PBY飛行艇
6 SB2Cヘルダイバー
7 P38

18 黒江保彦少佐
1 イ16
2 イ15
3 カーチス・ホーク
4 ボート・コルセア
5 九五戦
6 九七戦
7 一式戦闘機(隼)
8 二式戦闘機(鐘馗)
9 B29
10 バッファロー戦闘機
11 P38
12 モスキート
13 P51ムスタング

19 若松幸禧中佐
1 疾風
2 P47
3 B29
4 二式戦鐘馗
5 P51ムスタング
6 P40
7 B24
8 B25

20 穴吹智曹長
1 F6F
2 九七戦
3 P40
4 一式戦闘機隼
5 ブレニム
6 ウェリントン
7 B24
8 B25
9 ハリケーン
10 スピットファイア
11 P38
12 P36
13 九九双軽
14 P51

光人社NF文庫
1995年4月14日初版
鈴木五郎 著

ワイルド・ブルー




 薄いアルミニウム板で作られた機体で、操縦は難しく、非常に体力を消耗する。与圧装置はなく、腸管にたまったガスが風船のように膨れ、痛くて腹を抱え、うずくまる者もいた。爆弾倉は巻き上げるタイプで、50キロほどの重みしか耐えられなく、足を滑らせればそのまま扉を破ってしまう。座席はパッドが入ってなく、身体を伸ばすこともできず8時間ときに10時間も耐えねばならない。それがリベレーターと名付けられた第二次世界大戦中、もっとも多く生産された飛行機なのだ。

 この物語は、ジョージ・マクガヴァン(後にアメリカ大統領候補となる)の第二次大戦中にB-24で戦った記録である。戦記というよりも、事実を短く書き連ねていくマクガヴァンの伝記のような書き方をしている。しかし、そのすじの者にも十分すぎるほどのB-24の物語となっている。

 B-17の戦記は多いが、それ以上に生産されたB-24の戦記は少ないのはなぜだろう。B-24も同じような戦場で、同じような過酷な戦いをした。血と汗とオイルのにおいが本を読むとただよってくる。




1 B-24「リベレーター」
2 B-17
3 DC-3
4 XB-19
5 PT-19
6 AT-10
7 AT-7
8 B-12
9 PT-17
10 PT-19
11 BT-13
12 P-47
13 AT-9
14 AT-17
15 P-70
16 B-25
17 A-20
18 ME163
19 ME262
20 ME109
21 P-51


ワイルド・ブルー
株式会社アスペクト
2002年6月7日 発行
スティーヴン・E・アンブローズ

203の勝利ーリッペルト大尉空戦機




 原題は「リッペルト大尉の日記」である。
 203というのは撃墜数である。リッペルト大尉は、26歳で東部戦線に従軍し、短い期間で・・・そのすべてが敗走であったと述懐しているが、203機も撃墜した超エースである。他の国のエースと違い、ドイツ東部戦線では100機、200機、300機を超えるエースが出ている。
 ドイツのパイロットが、連日休む暇なく出撃を繰り返したのとソ連軍が数を頼みの戦術に出て、落とされても落とされてもウンカのごとく攻撃を繰り返したことがこの数字になっている。それだけに壮絶な戦いになり、ドイツ軍機の墜落は、相手に撃たれるだけでなく、撃墜相手の破片をあびての墜落も多かったという。それにしても壮絶な戦いの日々を、淡々と綴っていることがかえってリアルさを増す。
 何度も何度も撃墜されたり、不時着したり、機体ごとひっくり返ったりして、よく生き延びたなあと思う。
 写真がいい。

1 メッサーシュミットMe-109G-2
2 ハインケルHe-111
3 ユンカースJu-88
4 Il-2
5 シュトウーカ
6 エアーコブラ
7 Pe-2
8 カーチスP-40
9 ラグ5
10 Ju-52
11 ヤク7戦闘機
12 R-5偵察機
13 リベレーター
14 B-17
15 ムスタング
16 Me-110
17 ダグラス・ボストン
18 ヤク3型
19 フォッケウルフ190

フジ出版
昭和58年7月25日
ヘルムート・リッペルト

決戦機「疾風」航空技術の戦い




 実はずいぶん前に夏の東京出張でホテルで読んでいたのだが、ずっとバッグの中に入れっぱなしだった。一気に読んでしまった面白い本だった。
 副題はしらざれる最高傑作機メカ物語である。本当によく技術的な取材をしている。さすが碇さんである。ガバナー(プロペラの調速機)の話が面白かった。
 また、せっかくの最高メカであるが、あまりに繊細で技術を詰め込みすぎた誉エンジンが実は弱点だったのがよく分かった。整備するにも小さくしすぎで手が入らないエンジンより、大雑把でも余裕をもって作ったアメリカの2000馬力エンジンが戦時には必要だった。
 こんなにして作った最高傑作メカでありながら、始動するのに3人掛かりでイナーシャを回さなければならず、失敗すると精度も悪く歩留まりの悪いプラグ全部交換せねばならなかったという。おとぼけP-40でも、スターター一発でセルモータで始動していた。フォッケウルフなんかも、オール電化で、稼働するものはみな電動だったって言うから、ちとおそまつ。
 
 とはいえ、疾風はスタイルがいい。かっこいい。好き!

1 キ84「疾風」
2 ハインケルHe112
3 十二試艦戦
4 九六艦戦
5 零戦
6 メッサーシュミットMe109
7 キ44「鐘馗」
8 キ60
9 スーパーマリン・スピットファイア
10 ホーカー・ハリケーン
11 九六式艦上戦闘機
12 九六式陸上攻撃機
13 九七式戦闘機
14 キ43「隼」
15 九一式戦闘機
16 PA実験機
17 キ11
18 PE実験機
19 E15(イ15?)
20 E16(イ16?)
21 カーチスP40
22 ブリュースター・バッファロー
23 キ45複座戦闘機
24 キ46司令部偵察機
25 キ49重爆撃機
26 キ27
27 キ49呑龍
28 キ61「飛燕」
29 紫電
30 強風
31 キ82高速重爆
32 キ67
33 ボーイングB29
34 P51Dムスタング
35 フォッケウルフFw190
36 ブリストル・ブレニム
37 メッサーシュミットMe210
38 リパブリックP47
39 ノースロップP61ブラックウイドウ
40 F6Fヘルキャット
41 烈風
42 銀河
43 流星
44 烈風
45 彩雲
46 天雷
47 連山
48 屠龍
49 キ46Ⅲ型
50 キ86
51 B17
52 キ96
53 キ102
54 キ106(木製疾風)
55 B24
56 B25
57 ロッキードP38
58 カーチスSB2C
59 桜花
60 メッサーシュミットMe262シュワルベ
61 キ117

光人社NF文庫
2007年6月11日
碇 義朗

未知の剣


 副題は陸軍テストパイロットの戦場。

 テストパイロットはとてつもなく過酷な状況での適切な判断と高い技量を常に要求される。果たしてちゃんと飛ぶかどうかも分からない実験段階の飛行機を壊れるギリギリのところまで追い込んでテストする。渡辺洋二氏は、五式戦闘機のような本だと書いている。
そのココロは、思ったよりよくできていた。飛行機だけでなく、荒蒔少佐、黒江少佐、来栖大尉などパイロットにもスポットライトがあたり確かに読み応えのあるグッドブックでありました。

 日本の実験機だけでなく、ドイツから輸入したメッサーシュミットBf109やフォッケウルフなども、また手に入れた敵飛行機のP51なども審査する。フォッケウルフに対して竹澤俊郎准尉は「フォッケウルフは何もかも電動で、いい飛行機。メッサーシュミットよりも上だ。キ61もメッサーシュミットより上だが、戦闘機と戦うとき、キ61よりもエンジンの信頼度が高いフォッケウルフを選ぶ。頭を下げての突っ込みが鋭い。しかしP-51は速度があって、さらにいい。」という評価。荒蒔義次少佐は「離陸時の滑走は、偏向癖がなく、すなおに直進する。上昇力も十分ある。水平飛行時の加速は優秀。機体をほぼ垂直に傾けての急旋回でも悪い癖は見られない。降下時の加速性はBf109に及ばないが、良好と認めうる。」と評価する。実際に操縦した人の感想が翻訳でなくダイレクトに読めるのも、考えてみるとスゴい。

1 F6F
2 P-51
3 キ102
4 キ61-Ⅱ
5 キ84
6 九七式輸送機
7 九七式司令部偵察機
8 九六式陸上攻撃機
9 九七式重爆撃機
10 甲式四型
11 九九式艦上爆撃機
12 水上戦闘機「強風」
13 九七式飛行艇
14 キ43(隼)
15 キ45改
16 キ44(鐘馗)
17 キ60
18 九七式戦闘機
19 九五戦
20 スーパーマリン「スピットファイア」
21 ホーカー「ハリケーン」
22 カーチスP-40
23 ボーイングB17
24 I-16
25 メッサーシュミットBf109E7
26 キ61
27 二式複戦
28 ロッキード「ハドソン」
29 ロッキード「スーパーエレクトラ」
30 ノースアメリカンB-25
31 I-15
32 B-29
33 キ51(九九式襲撃機)
34 ダグラスDC-4E
35 セバスキー2PA-L
36 ブリュースター「バッファロー」Ⅰ型
37 Fw190A-5
38 P-51C
39 A-26
40 P-38
41 月光
42 キ96
43 キ102
44 百式司偵
45 フィゼラーFi156C
46 3式指揮連絡機
47 キ94-Ⅰ
48 キ94-Ⅱ
49 九九双爆
50 B-24
51 MC-20(百式輸送機)
52 キ-43Ⅲ型
53 零戦
54 F-13A
55 「秋水」
56 四式戦
57 一式双練
58 Me163「コメート」
59 メッサーシュミットMe262
60 キ201(火龍)
61 キ109特殊防空戦闘機
62 キ108高高度実験機
63 キ108改高高度戦闘機
64 F6F
65 キ100
66 キ83
67 TBM「アベンジャー」
68 SB2C「ヘルダイバー」
69 F4U「コルセア」
70 B-25
71 ビュッカー「ユングマン」
72 PB4Y「プライバティア」
73 キ105
74 五式戦
75 デ・ハビランド「バンパイア」
76 キ106木製「疾風」
77 キ115「剣」

文春文庫
2002年12月10日
渡辺洋二

幻の新鋭機




「間に合わなかった軍用機」にも書いたけれど、大戦末期のヒコーキはみなかっこいい。
洗練され、究極の性能に進化していくとどんどんカッコよくなっていく。
カッコイイ飛行機は性能もいいというジンクス通り。
幻の戦闘機には紙面上の想像図くらいしかできていないものもあるけれど、
なかなかカッコイイ飛行機が多いよ。
そして、設計図においつかない製造上の困難が浮かび上がる。
エンジンがない、ベアリングがない、熟練工がいない、燃料がない。
ないないづくしで設計図だけに心血が注がれた感じがする。


1 戦闘機
1 キ64
2 キ88
3 キ83
4 キ87
5 キ94
6 キ96
7 キ102
8 キ108
9 キ109
10 キ98
11 キ106
12 キ113
13 キ116
14 キ200「秋水」
15 キ201「火龍」
16 一七試艦上戦闘機「烈風」
17 一七試局地戦闘機「閃電」
18 一八試甲戦闘機「陣風」
19 一八試局地戦闘機「震電」
20 一八試夜間戦闘機「電光」
21 水上戦闘機「強風」

2 爆撃機
1 キ66
2 キ71
3 キ74
4 キ93
5 キ119
6 キ91
7 一八試陸上攻撃機「連山」
8 試作超重爆撃機「富岳」
9 一九試陸上哨戒機「大洋」
10 試作特殊攻撃機「橘花」
11 試作特殊攻撃機「梅花」
12 キ115特殊攻撃機「剣」
13 艦上攻撃機「流星」
14 一七試特殊攻撃機「晴嵐」「南山」
15 試作練習爆撃機「明星」

3 偵察機

1 キ70
2 一八試陸上偵察機「景雲」
3 一七試艦上偵察機「彩雲」
4 高速水上偵察機「紫雲」

4 研究機

1 キ78「研三」
2 ロ式B試作高々度研究機
3 キ77
4 試案重戦闘機・試案軽爆撃機

5 輸送機

1 キ92
2 キ97
3 キ105
4 試作大型輸送飛行艇「蒼空」

6 練習機

1 キ107試作初歩練習機
2 陸海軍輸送グライダー
3 イ号一型甲・乙対地誘導弾


個人社NF文庫
2003年9月12日
小川利彦著

間に合わなかった軍用機





なかなかカッコイイ飛行機ばかりです。
駄作機も淘汰され、大戦末期には洗練された飛行機が登場することになる。
しかし、間に合わなかったというコンセプトなんですね。
ヒコーキの筋の人の常識に「美しい飛行機は性能もいい」というのがある。
この本に登場するヒコーキは、みな美しくカッコイイ。
そして、ジェット機に移行する直前であり、性能もレシプロの究極に近づいていいる。
また、ジェット機のフォローをすることで、戦争には間に合わなかったが長く活躍することになったヒコーキも多い。
戦闘場面には間に合わなかったけれど、かえって愛着をもたせるヒコーキばかりです。



1 グラマンF7Fタイガーキャット
2 フィアットG55/56チェンタウロ
3 ブラックバーンB45ファイアブランド
4 満州飛行機キ116
5 ハインケルHe277
6 ヴォートTBUシーウルフ
7 ラヴォーチキンLa11
8 スーパーマリン・スーパー・スピットファイア
9 スーパーマリン・ス7パイトフル
10 三菱重工業「烈風」
11 アルスナルVG33
12 グラマンF8Fベアキャット
13 マーチン・べーカーMB5
14 愛知航空機「流星改」
15 レッジアーネRe2005サジタリオ
16 ドルニエDo335プファイル
17 デ・ハビランド・ホーネット
18 立川飛行機キ94
19 ノースアメリカンP82ツインマスタング
20 アミオ354
21 タンクTa152H
22 三菱重工業キ83
23 ダグラスADスカイレーダー
24 サーブJ21
25 ツポレフTu4
26 立川飛行機キ74
27 ホーカー・シーフェリー
28 マーチンAMモーラー
29 コモンウェルスCA15カンガルー
30 日本国際航空工業キ105
31 カントZ1018レオーネ
32 アヴロ・リンカーン
33 ボーイングB50スーパーフォートレス
34 マイルズM20
35 愛知航空機「電光」
36 マッキC205ベルトロ
37 フェアチャイルドC82パケット
38 メッサーシュミットMe209V5

各章に登場する有象無象のヒコーキは今回は拾い上げる元気がありません。


光人社NF文庫
「間に合わなかった軍用機」-知らざれる第二次大戦傑作機-
大内建二
2004年4月11日

最強兵器入門





「最強兵器入門」 戦場の主役徹底研究

雑誌「丸」で特集された記事を集めて作った本。
飛行機、艦船、戦車とその筋の入門本となっている。
モスキートがモスキトーと書かれていたのがちょっと気になったけど、ま、いいか。

テストパイロット荒蒔さんのメッサーシュミット評がいい。



最強戦闘機10傑  野原茂著

1 三菱零式艦上戦闘機
2 中島四式戦闘機「疾風」
3 メッサーシュミットBf109
4 フォッケウルフFw190
5 メッサーシュミットMe262シュバルベ
6 チャンスボートF4Uコルセア
7 グラマンF6Fヘルキャット
8 リパブリックP47サンダーボルト
9 ノースアメリカンP51マスタング
10 スーパーマリン・スピットファイア

世界の傑作高速爆撃機  村上洋二著

1 九九式双発軽爆撃機
2 百式爆撃機「呑龍」
3 キ43「隼」
4 キ44「鍾馗」
5 四式重爆撃機「飛龍」(靖国)
6 B29
7 B17
8 B24
9 キ74試作遠距離偵察爆撃機
10 九二式超重爆劇機(キ20)
11 ロッキードU2
12 艦上爆撃機「彗星」
13 陸上爆撃機「銀河」
14 艦上攻撃機「流星」
15 マーチンB26マローダー
16 ノースアメリカンB25
17 ダグラスA26インベーダー
18 ドルニエDo17
19 ドルニエDo217
20 メッサーシュミットMe262
21 アラドAr234ブリッツ
22 ブリストル・ブレニム
23 ホーカー・フューリー
24 デ・ハビランド・モスキトー
25 ツポレフSB2
26 ツポレフTu2
27 ヤコブレフYak4
28 サボイア・マルケッティSM79
29 ブレダ88リンチェ
30 カントZ1018レオーネ
31 アミオ35
32 リオレ・エ・オリビエLeo451
33 ラテコエール570
34 PZL・P23カラス/P37ロス
35 サーブ18

世界の傑作艦上雷撃機 木村源三郎著
1 九七式艦上攻撃機1号
2 九七式艦上攻撃機2号
3 九七式艦上攻撃機3号
4 ダグラスTBD・1デバステーター
5 天山
6 流星
7 烈風
8 彩雲
9 景雲
10 銀河
11 ADスカイレーダー
12 TBFアベンジャー
13 フェアリー・ソードフィッシュ
14 フェアリーTSR1
15 スピットファイア
16 ハリケーン
17 SBDドーントレス
18 カーチスSB2Cヘルダイバー
19 ホーカーPV4
20 ヴォートSB2U
21 ノースロップBT
22 ブラックバーン・スクア
23 フェアリー・フルマー
24 ホーカー・シーハリケーン
25 ブラックバーン・ロック

私がテストしたBf109の実力  荒蒔義次
1 メッサーシュミット
2 イ-15
3 鍾馗

名機マスタングについての考察 堀越二郎

1 グラマンF8Fベアキャット
2 P51H
3 メッサーシュミットMe109
4 フォッケウルフFw190
5 スピットファイア
6 零戦
7  P40
8 N156
9 T38
10 キ33
11 烈風


光人社NF文庫
野原 茂ほか著
2003年4月

世界の仰天機




副題は「常識を破る偉大なコンセプト」
ここに出てくる飛行機はみな、トンデモヒコーキばかり。
いいなあ、こういうの。
どのヒコーキにもほおずりしたくなる。
小学生の頃に学習ノートの端にいたずら書きしていた延長線上にあるようなノリである。

特に興味深いのは、
スピットファイアーにDBエンジンをのっけたのとか、
Bf109にマリーンエンジンをのっけたというたぐいのヒコーキ。
(ちょっと解説:スピットファイアーはマリーンエンジン、Bf109はDBエンジンを積んでエンジンの進化と共に性能向上をさせ10年近く進化し続けた)

ま、ゲテもののたぐいだけど、どこか微笑んでしまう。


1 現代に至る往事の宇宙の夢
1 V2
2 ハインケルHe112V
3 He176V1
4 He176V1
5 フォン・ブラウン・ロケット迎撃機I(計画機)
6 フォン・ブラウン・ロケット迎撃機Ⅱ(計画機)
7 バッヒェムBa349ナッター
8 フィゼラーFi166ロケット迎撃機Ⅰ
9 Me262
10 Me163B
11 フィゼラーFi166ロケット迎撃機Ⅱ
12 A4bロケット
13 A9+A10
14 ボーイングX20ダイナソア
15 ゼンガー「ジルバー・フォーゲル」(計画機)

2 革命的動と期待されたジェット

1 ルデュック010(実験機)
2 SE161ラングードック輸送機
3 HK-1グライダー
4 HK-2
5 HK-3
6 H-4
7 D17Z-2
8 D217E-2
9 Ta283
10 トリープフリューゲル
11 リピッシュLi・P13a
12 メッサーシュミットMe262ロラン(計画機)
13 スコダ・カウバSk・P14-01
14 ノースロップX-4
15 V2
16 V1
17 Hs293
18 フリッツX
19 Ju88
20 Fi103
21 ハインケルHe280
22 メッサーシュミットMe321
23 ゴータ242
24 メッサーシュミットMe322
25 ゴータGo345B
26 ニキツィン-シェフチェンコIS
27 NIAI・RK-1
28 メッサーシュミットMe328
29 B-29
30 B-36
31 マグダネルF-85
32 メッサーシュミットMe328搭載護衛戦闘機
33 川西梅花(計画機)
34 マイルズM52
35 ベルX1
36 Me163A

3 主翼についての技術的考察
1 F-16ファイティング・ファルコン
2 P-51
3 R-100
4 ウェルズレー爆撃機
5 ツポレフANT-25
6 フェアリー長距離単葉機
7 ハンドレペイジ・ハロウ
8 ブレニムMkⅠ
9 立川A-26
10 ブレリオ・ザパタ110
11 サヴォイアSM82PD
12 神風号
13 航研機
14 Bv155
15 Bf109T
16 Ju87C
17 フィゼラーFi167
18 Bf109G
19 Me155
20 ウエストランド・ライサンダー
21 グラマンF5F
22 ウェルキン
23 バラクーダ
24 ミーティア
25 ユンカースJu86
26 ウエストランド・ワールウインドMk1
27 ウエストランド・ウェルキン
28 ヴィカース432
29 モスキート
30 ヴェーザーWe・P1003
31 フォッケ・アハゲリスFa269(計画機)
32 ベル・ボーイングV22オスプレイ
33 ポリカルポフI-180
34 ペガス戦闘機110
35 地上攻撃機ペガス
36 カーチスP40
37 ポリカルポフPo-2
38 イリューシンII-2
39 Yak6
40 デ・ハビランド・モスキート
41 ハリケーンMkI
42 P44
43 P-55アセンダー
44 XP-67
45 ロッキードXP-67
46 マグダネルFD-1ファントム
47 F4ファントム
48 F15イーグル
49 ブガッティ100P
50 ブガッティ110P
51 ベルL-39
52 アラドAr234
53 He177
54 He343
55 Ar234C
56 Ar234V16
57 F-111
58 F-14
59 ロックウェルB-1
60 Mig-27フロッガー
61 ツポレフTu26バックファイアー
62 パナヴィア・トーネード
63 ブロームウント・フォス・Bv208
64 ブロームウント・フォス・Bv209
65 ブロームウント・フォス・Bv210
66 ブロームウント・フォス・Bv212
67 ブロームウント・フォス・Bv215
68 リパブリックF-84
69 Bf109
70 Yak3
71 SAAB21
72 Me109TL
73 Yak-15
74 SAAB21R
75 P-51複合動力前進翼型機
76 ハインケルHe・P1076
77 Bv・P188
78 ベリャイエフ・バボホカ

4 特殊な武装の猛禽類
1 モスキート・ハイボール
2 デ・ハヴィランドDH-4
3 デ・ハヴィランドDH-9
4 デ・ハヴィランドDH-88コメット
5 デ・ハヴィランドDH91アルバトロス
6 デ・ハヴィランドDH-98
7 アブロ・ランカスター「ダムバスター」
8 スピットファイア
9 V1
10 Ju87
11 Hs123
12 Fw189
13 ヘンシェルHs129
14 Ju88
15 ツポレフANT-23
16 グリゴロヴィッチIP-1
17 ツポレフDIP
18 Bv141
19 Bv・P168
20 ベルFM-1エアラクーダ
21 Bv・P170
22 B-29
23 Me262
24 He・P1065-Ⅰ
25 He・P1065-Ⅱ
26 He・P1065-Ⅲ
27 アンブロジーニAR-4
28 ユンカースG24
29 ユンカースL5
30 DFS230グライダー
31 クレムK-35
32 Fw56
33 Bf109E
34 サヴォイア・マルケッティSM79
35 フィアットBR20
36 マッキC202
37 TBM
38 B-17
39 ノースロップJB-1
40 ノースロップJB-10
41 フェアチャイルドKAQラーク

5 変・洋上機
1 グラマンXF4F
2 ブリュースターXF2A
3 チャンスボートXF4U
4 グラマンXF5Fスカイロケット
5 ホーカー・タイフーン
6 ウエストランド・ワールウィンド
7 F7F
8 B-17
9 ランカスター
10 アヴェンジャー
11 エアスピードAS39
12 ジェネラル・エアクラフトGA38
13 フェアリー・ソードフィッシュ
14 フェアリー・アルバコア
15 フェアリー・バラクーダ
16 スーパーマリン・スピットファイア
17 フェアリー・フルマー
18 スーパーマリン・322ダンボ
19 クルセイダー
20 アヴェンジャー
21 スーパマリン・スパイトフル
22 スーパーマリン・アタッカー
23 ブリストルXLRQ-1
24 ゴータGo242C-1
25 He111Z
26 ブロームウント・フォスBV・P111
27 Bv237
28 Ju87
29 Bv141
30 Bv179
31 Bv246
32 Bv・P194
33 Bv・P204
34 Bv・P178
35 BV138
36 ユンカースJu52
37 ヴィッカース・ウエリントンDW1
38 ブロームウント・フォスBV139
39 コンソリデーテッドPBY
40 ダグラスXTBD-1
41 ヴォクミストロフZ-7
42 ポリカルポフI-16
43 ミケルソンMP
44 ブラックバーンB・44
45 ファイアブランド艦上戦闘機
46 グラマンTBM-3M
47 AD-3Wスカイレーダー
48 ボーイングB17
49 ボーイングPB-1W

6 変転する軍用機
1 P-39練習機
2 P-63
3 グドコフGu-1
4 キ-88
5 ブガッティ100P
6 P-51
7 P-47
8 スピットファイア複座練習機
9 零戦複座練習機
10 Bf109複座練習機
11 P-51複座練習機
12 Fw190複座練習機
13 ヤコブレフ複座練習機
14 ラボーチキン複座練習機
15 ユンカースJu87
16 TBM-3R・COD
17 ユンカースJu87D-3兵員輸送型(試作機)
18 Hs123
19 マルケッティSM85
20 Me262
21 ピアジオP・ⅦRC35
22 レジアーネRe2002
23 メリディオナリRo57bis
24 Ju88
25 サヴォイア・マルケッティSM93
26 DFS228DFS346
27 Me163コメート
28 He176
29 リピッシュLi・P・07
30 リピッシュLi・P・15
31 リピッシュLi・P・20

7 他国で変貌した軍用機
1 Bf109G
2 Me110
3 IAR80戦闘機
4 Fw189
5 Fi156
6 Me262
7 アヴィアS99
8 アヴィアS199
9 CS199
10 MiG-15
11 Yak-23
12 Ju88
13 He111
14 イスパノHA-1112-K
15 イスパノHA-1112-M
16 イスパノHA-1112-J
17 イスパノHA-1112-M1L
18 FM-1エアラクーダ
19 P-59
20 XP-77
21 モラン・ソルニエMS406
22 モラン・ソルニエMS405
23 ドボアチンD520
24 ラテ298
25 ブロッシュMB152
26 モラン・ソルニエMS410
27 モラン・ソルニエMS412
28 モラン・ソルニエD3801(実験機)
29 VL・モラン・ソルニエ・メルケモラン(実験機)
30 ハリケーンDB601A実験機
31 ダイムラーベンツ・スーパーマリン・スピットファイア・Mk.VDB605A
32 Ju287V1
33 Ju287V2
34 Ju287V3
35 OKB-1・EF-131E
36 OKB-1・EF-140
37 Il-28
38 Tu-16
39 Tu-102
40 DFS228
41 ロッキードU2
42 DFS346
43 B-29
44 ツポレフTu-4
45 MiG-15
46 ユンカースEF126エーリ
47 ユンカースEF127ヴァーリ
48 アルグスAs044
49 Fi103Rライセンス
50 Me328
51 ラボーチキンLA-7Rr
52 ヤコブレフYak-3RD
53 スホーイSu-7R
54 MIiGI-270

8 世界の仰天機

1 Bv・P202
2 Bf109
3 Fw190
4 Me・P1109
5 Bv・P1109
6 フォッケウルフFwP0310
7 Fw190D
8 Ta152
9 ギャルビン・F/E3
10 ギャルビン・FW
11 ギャルビンHC水上機
12 ヴィッカース161
13 ブローム&フォスBv・P192
14 ダイムラー・ベンツ・イェーガー
15 神龍
16 B-45
17 B-46
18 B-53
19 B-47
20 B-48
21 B-51
22 B-49
23 コンヴェアXB-53
24 BICh-17
25 モスカリョフSAM-7
26 ツポレフTB-3
27 SAM-9ステレラ
28 RAM
29 L-140

光人社NF文庫
飯山幸伸 著
2005年12月8日初版

ヒコーキ人生




学校図書館から廃棄された本を整理していて、偶然見つけ出した佐貫亦男さんの本。
なんか、すっごくうれしかった。
子ども向けの読み物で、1971年発行の古い本。
漢字にはふりがながふってある。
あらっぽいタッチの挿し絵は、寺島竜一。
のりもの絵本で有名な挿し絵作家で、「ヒコーキの心」シリーズも描いている。

内容的には「ヒコーキ」シリーズでおなじみの内容であるが、小学生向きの内容ということで丁寧な言葉遣いになっている。佐貫さんのちょっとエスプリの効いた口調は見られない。

プロペラの話にはやはりリキが入っている。


わたしをとりこにした飛行機
1 アキラ号
2 サルムソン偵察機
3 ソッピース戦闘機
4 ニューポール戦闘機
5 モーリス・ファルマン偵察機

空をとぶ発明
1 アデールの飛行機
2 ラングレイの飛行機
3 フライヤー1号
4 サントス・デュモンの飛行機

より高くより速く
1 ボワゾン兄弟の飛行機
2 アンリ・ファルマン飛行機
3 ブレリオ単葉機
4 アントワネット機
5 モラーヌ・ソルニエ
6 ルンプラー・タウベ
7 フォッカー
8 アルバトロス
9 S・E5
10 スパッド
11 アルバトロスDⅡ
12 B・E・2C
13 F・E・2B
14 ソッピース・キャメル
15 ビッカース・バップ
16 マーチンサイド
17 デハビランド
18 アームストロング・ウィットワース
19 フォッカーDr1
20 ビッカース・ヴィミイ
21 ユンカース

プロペラ機の最後

1 九七式戦闘機
2 ゼロ戦
3 九六式戦闘機
4 九六式陸上攻撃機
5 航研長距離機
6 九〇式艦上戦闘機
7 九一式戦闘機
8 九二式戦闘機
9 九七式飛行艇
10 ヤク9D型戦闘機
11 アブロ・ランカスター
12 ボーイングB17
13 メッサーシュミットMe110
14 スピットファイア
15 ハインケルHe111
16 ハインケルHe177
17 ボーイングB29
18 グラマンF6F
19 雷電
20 紫電
21 紫電改
22 疾風
23

ジェット機の出現
1 コンステレーション
2 フォッカー・スーパーユニバーサル
3 ロッキード・ベガ
4 ロッキード・アルテア
5 ロッキード・シリウス
6 ロッキード・ガラクシー
7 ダグラスDC7C
8 ハインケルHe178
9 グロスター機
10 メッサーシュミットMe262
11 ボーイング727
12 フォッカー・フレンドシップ
13 ボーイング747
14 コンコルド
15 ツポレフTu144
16 V2
17 スプートニク
18 アポロ・サターン

未来の飛行機
1 PS-1飛行艇
2 HST
3 ユンカースJu52
4 ビッカース・バイカウント
5 ボーイング707
6 ダグラスDC8
7 X15

大日本図書株式会社
佐貫亦男
1971年 2月25日

死闘の本土上空




 久しぶりに渡辺洋二さんの戦記ドキュメントを読んだ。「B-29対日本空軍」という副題があるように、当時としては無敵とも思えるB29に立ち向かった日本空軍の戦いの記録である。日本には空軍はないのだが、あえて陸軍飛行隊と海軍飛行隊をあわせて空軍としている。対B29戦という9回裏ツーアウト満塁の状態での日本の空軍の戦いを執拗な取材をもとにドキュメンタリーにしている。多面的な視点からいろいろなエピソードが書かれていて、羅生門的なアプローチで対B-29戦に集中していく。
 あとがきをみると、この本が1978年に徳間書店から「日本本土防空戦-B29撃滅作戦秘録」という題名で出された渡辺さんの処女作だそうだ。雑誌社をやめ、お腹の大きい奥さんを抱え、手塚治虫の古書を売って書き上げたというエピソードが書かれていた。

登場する飛行機
1 B-29
2 屠龍
3 B-25
4 飛燕
5 B-24
6 九一式戦闘機
7 マーチン139WC双発爆撃機
8 九五式水上偵察機
9 九七式艦上攻撃機
10 グラマンF4F
11 ダグラスSBD
12 一式陸攻
13 零式艦上戦闘機
14 鍾馗
15 P-40
16 B-17
17 I-16
18 疾風
19 メッサーシュミットBf109
20 雷電
21 強風
22 紫電
23 月光
24 B-32
25 烈風
26 陣風
27 閃電
28 天雷
29 震電
30 電光
31 B-18
32
33 PV-1ベンチュラ
34 二式水戦
35 零観
36 百式司偵
37 彗星
38 銀河
39 極光
40 彩雲
41 P-47サンダーボルト
42 F-13
43 飛龍
44 九三式水上中間練習機
45 ランカスター
46 F6F
47 F4U
48 秋水
49 メッサーシュミットMe163
50 橘花
51 P-51
52 TBMアベンジャー
53 SB2Cヘルダイバー
54 桜花
55 九九艦爆
56 九六艦爆
57 九四水偵
58 白菊
59 瑞雲
60 P-61
61 五式戦闘機
62 P-80シューティングスター
63 F8Fベアキャット
64 ミーティア

文春文庫
2001年
渡辺洋二

新・蒼空の器




 豊田穣さんの戦記シリーズ。副題は「大空のサムライ七人の生涯」である。
 「新」とあるが、この本の以前に「蒼空の器」と題して鴛淵孝をとりあげている。
 今回取り上げたのは、貫野直(零戦-紫電改)、江草隆繁(九九艦爆-銀河)、村田重治(九七艦攻)、高橋赫一(九九艦爆)、入佐俊家(一式陸攻)、千早猛彦(彩雲)、笹井淳一(零戦)である。豊田さんは、海兵出身者で、その戦記はどうしても将校の立場からの記述になる。
今回取り上げた7人についても、海兵出身者を取り上げたとことわりをあとがきで述べている。
 以前に「蒼空の器」は読んでいたが、「新」の方は読んでいなかった。東京駅でたまたま手にとると、貫野直を取り上げた話に杉田庄一とのエピソードがあって購入。新幹線の中で読んでしまった。どうも、人が中心の戦記は苦手だ。ヒーローとして取り上げて書かれていることに、どうしても抵抗が残る。

1春の嵐-最後の撃墜王・貫野直の生涯

1 零戦
2 コンソリデーテッドB24
3 ロッキードP38
4 B29
5 B17
6 グラマンF6Fヘルキャット
7 一式陸攻
8 彗星艦爆
9 天山艦攻
10 アベンジャー
11 ダグラス(ドーントレス)
12 紫電改
13 P51ムスタング
14 イ16
15 F4Uコルセア
16 コンソリデーテッドPB2Y
17 F4F
18 P47

2 惜別の人-爆撃の神様・江草隆繁の生涯

1 艦爆(九九艦爆)
2 艦攻(九七艦攻)
3 零戦
4 スピットファイア
5 ハリケーン
6 一式陸攻
7 銀河
8 九四式艦爆
9 九六式艦爆
10 九〇式戦闘機
11 グラマンF4F
12 銀河

3 黄色い月-雷撃の神様・村田重治の生涯

1 B17
2 B26マローダー
3 デバステーター
4 アベンジャー
5 ダグラス・ドーントレス
6 九七式艦攻
7 九六艦攻
8 グラマンF4F


4 鬼神-艦爆の親分・高橋赫一の生涯
1 九九式艦爆
2 零戦
3 PBY
4 B17
5 九六式艦爆
6 九六戦
7 スピットファイア
8 ハリケーン
9 グラマンF4F

5 一期一会
1 九六艦戦
2 九六艦爆
3 カーチス・ウォーホーク
4 B26マローダ
5 カタリナ哨戒機
6 B17
7 コンソリデーテッドB24
8 バッファロー
9 ホーカー・ハリケーン
10 九九艦爆
11 グラマン・ヘルキャット
12 天山
13 零戦
14 彗星

6 テニアンの鶴-偵察の神様・千早猛彦の生涯
1 B29
2 彩雲
3 彗星
4 B17
5 ロッキードP38
6 二式水偵
7 グラマンF6Fヘルキャット
8 銀河
9 イ15
10 イ16
11 九八式陸偵

7 撃墜王-ラバウルの若きリヒトホフェン・笹井醇一の生涯
1 ダグラスDC3
2 零戦
3 グラマンF4Fワイルドキャット
4 カーチス・ウォーホーク
5 ブリュースター・バッファロー
6 B17
7 B26マローダ
8 ベルP39エアラコブラ
9 スピットファイア
10 ホーカー・ハリケーン
11 ノースアメリカンB25
12 ダグラス急降下爆撃機 


光人社NF文庫
豊田穣 著
1995年3月10日

戦闘機入門




 この本の冒頭、碇義朗さんはご自分の昭和五、六年頃の戦闘機原体験を書いている。所沢陸軍飛行学校の開校記念日の記憶である。碇さんはその後、府立航空工業学校に入り、第一陸軍航空技術研究所に入り、設計に従事していた。戦後は、戦闘機や自動車に関するライターとして活躍しておられる。そんな碇さんの書いた戦闘機入門の本で、時代を軸としながらもプロペラ同調装置とか機関砲とかパーツごとに蘊蓄あるドキュメントにまとめている。

1 アルバトロス偵察機
2 ドペルデュサン・コールホーフェン
3 モーリス・ファルマン
4 ニューポール・スカウト
5 DH2
6 FE2b
7 モラーヌ・ソルニエL
8 フォッカーE1
9 モラーヌ・ソルニエN
10 ソッピース・タブロイド
11 スパッドS13
12 アンリー・ファルマン
13 ボーイングB17
14 ルンペラー・タウベ
15 ニューポール24C
16 「会」式七号
17 ニューポール29C一型戦闘機
18 九七式
19 「隼」
20 「鍾馗」
21 「疾風」
22 甲式四号
23 甲式三号
24 九一式戦闘機
25 九二式戦闘機
26 九五式戦闘機
27 二式複座戦闘機「屠龍」
28 三式戦闘機「飛燕」
29 五式戦闘機
30 一〇式艦上戦闘機
31 一〇式艦上偵察機
32 一三式艦上攻撃機
33 グロスター・ガンベット艦上戦闘機
34 三式艦上戦闘機
35 甲式一型戦闘機
36 甲式四型戦闘機
37 九〇式艦上戦闘機
38 丸一式戦闘機
39 ブリストル・ブルドッグ
40 九〇式二号艦上戦闘機
41 ボーイングF4B艦上戦闘機
42 ボーイング100型
43 九六式艦上戦闘機
44 九七式戦闘機
45 キ28
46 キ27
47 キ33
48 零戦
49 ファルマンF40
50 デ・ハビランドDH2
51 ビッカースFB5
52 FE8
53 スパッドA2
54 スパッドA7
55 ベル・エアラクーダ
56 「震電」
57 カーチスP-40
58 カーチスXP-55アセンダー
59 キ98
60 スーパーマリン・スピットファイア
61 ホーカー・ハリケーン
62 メッサーシュミットMe109
63 リパブリックP47「サンダーボルト」
64 グラマンF6F
65 ロッキードP38
66 「紫電」
67 「紫電改」
68 ベルP39エアラコブラ
69 「強風」
70 ロッキードF104DJ
71 サーブ37ビゲン
72 F4EJファントム
73 F14
74 F15
75 F16
76 F86
77 BACライトニング
78 ホーカーシドレー・シービクセン
79 マトラ530
80 ミグ21
81 ミグ25
82 V1号
83 V2号
84 四式重爆「飛龍」
85 九九式双発爆撃機
86 桜花
87 F105サンダーチーフ
88 ミグ17
89 ミグ15
90 ダッソー・ミラージュⅢ
91 メッサーシュミットMe110
92 ブリストルF2B
93 ボールトンポール・デファイアント
94 ブラックバーン・ロック
95 アミオ143
96 96式陸上攻撃機
97 百式重爆撃機「呑龍」
98 P51ムスタング
99 He111
100 デ・ハビランド・モスキート
101 ブリストル・ボーファイター
102 月光
103 マッキMC72
104 ドルニエDo335
105 フォッカーD23
106 ノースアメリカンP82
107 メッサーシュミットMe262
108 「橘花」
109 「火龍」
110 グロースター・ミーティア
111 ロッキードYF12
112 ヤコブレフ・フィードラー
113 ユンカースJu87
114 F100スーパーセイバー
115 SST
116 F111
117 バッヒェムBa349
118 メッサーシュミットMe163
119 「秋水」
120 ロッキードXFV1
121 コンベアXFY1
122 ライアンX13バーチジェット
123 ロッキードXFV2
124 ホーカー・シドレーP1127
125 ミラージュ・バルザックV
126 フォッカー・リパブリックD24
127 VJ101C
128 マイルズM52
129 デ・ハビランドDH108
130 ロッキードSR-71
131 I16


ひこうぐも





 帝都上空での防空戦で有名な244戦隊の戦隊長小林照彦少佐夫人の本である。小林少佐は、厳しく自分を律し、二四歳の最年少戦隊長として全力で戦った。戦後はサラリーマンになり毎晩のように酒に溺れるが、航空自衛隊発足と同時に空に復帰し、T33の飛行訓練中に殉職する。
 B29撃墜マークを書き込んだ飛燕の操縦席から、端正な顔で微笑んでいる小林少佐の写真はいろいろな本や雑誌でおなじみである。「飛燕」にも似た鼻筋の通った映画俳優のような端正な顔に秘めたる闘志を感じさせる。まじめなんだな。それが敗戦後の大酒につながるのかも。
 本の題名はひらがなで「ひこうぐも」。夫人の感性がこの題名にも、そして文章のあちこちに表れている。戦闘記録ではなく、小林少佐の家庭の記録であり、戦時中、戦後のよき日本の暮らしの様子がよく伝わってくる。全編を通して夫人のやさしさが感じられる。

1 九九式襲撃機
2 キ61(飛燕)
3 キ100(五式戦)
4 B29
5 グラマンF6F
6 コルセア
7 C47
8 T33
9 F86
10 F104
11 F100

光人社NF文庫
小林千恵子 著
2005年9月7日

ああ飛燕戦闘隊





-少年飛行兵ニューギニア空戦記-

 少年飛行兵ニューギニア戦記と名うってあるが、作者は昭和15年に少年飛行兵となり、飛燕に乗って昭和18年にニューギニアで戦う。10対1の劣勢での戦いの記録である。
 その時その時の戦闘の記録を図で書き込めるほど、細かく記録がなされているのに驚き。撃たれた弾痕の数も克明に記録されていて、今更ながら「飛燕」のタフさが浮き出てくる。背中の防弾版で防ぐことのできた弾痕も、これが他の飛行機ならパイロットは即死である。
 筆者は、新人がためにつぎはぎの機体を受領する。その中で、技量を身に付け、戦いの中で腕を上げていく。20mmマウザー砲の威力や胴体タンクの扱いの難しさなど、他の本でも書かれていた飛燕の特徴が現場のパイロットの記録でも取り上げられている。
 それにしても、事故や単純なミスで飛行機が失われていく。それが現実だったんだなあと思う。

1 九七式戦闘機
2 一式戦闘機「隼」
3 三式戦闘機「飛燕」
4 カーチスP40
5 コンソリデーテッドB24
6 ロッキードP38
7 P47サンダーボルト
8 B25
9 DC3
10 F4F  

光人社NF文庫
小山 進
2001年4月20日 

液冷戦闘機「飛燕」




 最近「飛燕」に興味がある。エンジンが間に合わなかったり、稼働率が悪かったり、さらにスマートな機体が華奢な雰囲気を思わせていた。しかし、いろんな本に書かれている「飛燕」を読んでいるとそうではないことが分かってきた。
 まず、エンジンであるが不出来ではなかった。もとになったDB601が画期的なエンジンであることには異論はないと思う。
 川崎がライセンス生産したハ四〇は、ボッシュの燃料噴射装置を使うことが契約上認められず三菱製の燃料噴射装置が付けられた。エンジン自体の問題はない、問題は生産する体制にあった。高度に精密なエンジン作る工場には熟練工が必要である。熟練工は、徴兵され戦場で戦っていた。戦場にいれば、徴兵された意味もあるが、熟練工(つまり若くない)はむしろ後方で土木作業に従事していた。
 エンジンの整備でもそうである。F1マシンのエンジンのような整備ができるメカニックは実は戦場にいた。実戦の中で鍛えられ、整備技術が身に付いた整備兵は、日本軍の後退の中で戦場に取り残されていった。実際に整備に当たっていたのは、二〇歳前後の経験未熟な若者であったのだ。
 貴婦人を思わせるスタイルとは別に「飛燕」の特筆すべき性能は、タフさであった。頑丈な機体は、無理な扱いをしても壊れず、改造にもよく耐えた。スピードと格闘性を兼ね備えた上に発展性という強さをもっていた。登場したときにすでに究極の状態で、これ以上の発展性を持ち得ず止まってしまった零戦とは大違いなのだ。
 メッサーシュミットBf109もスピットファイアーも10年以上、発展し続け戦場で戦った。零戦でヨーロッパの飛行機に追いついたことになっているが、実はその時点で止まってしまった。日本で匹敵するとすれば「飛燕」であったかもしれない。

 Bf109的な出発した「飛燕」は、空冷エンジン三菱「金星」エンジンを積んでFw190に変身する。その性能は、当事者たちの予想を超えるモノであった。もともとの「飛燕」の機体設計の良さが生きていたのだ。

 熟練工を徴収し、熟練整備兵を戦場においてけぼりにし、お役所仕事の見通しのなさの中で「飛燕」は翻弄された。


1 ライト兄弟1号機
2 八七式重爆
3 八八式偵察機
4 KDA-3
5 九一式戦闘機
6 KDA-5(九二式戦闘機)
7 キ五
8 キ一〇(九五式戦闘機)
9 キ一一
10 キ二七
11 キ三三
12 キ二八
13 屠龍
14 キ六〇(三式戦闘機「飛燕」)
15 キ一〇二高々度複座戦闘機
16
17 鍾馗
18 疾風
19 零式艦上戦闘機
20 雷電
21 烈風
22 紫電
23 紫電改
24 キ四八
25 キ六〇
26 メッサーシュミットBf109E7
27 五式戦闘機
28 P-51マスタング
29 B-25
30 十三試双発陸上戦闘機「月光」
31 カーチスP-40
32 ホーカー・ハリケーン
33 B-17
34 P-38
35 九十八式軽爆
36 百式司令部偵察機
37 九十九双発軽爆
38 一式陸上攻撃機
39 九十七式重爆
40 B-24
41 P-47
42 B-29
43 F6F
44 F4F
45 F-13
46 F4U
47 カーチスSB2C
48 キ100

文春文庫
2006年7月10日
渡辺洋二