これまでの概念をこえて新しい飛行機を作ろうとした苦労や失敗の積み重ねが興味深い。
飛行機誕生の話はみな同じように苦労話がついてまわるけれど、いづれも人間味くさくて戦闘場面の話よりずっと面白いと思ってしまう。
ダイブブレーキがつくまでの初期型は急降下速度が早くなりすぎて、引き起こし下できなかったため、しばしば空中分解事故を起こしたようだ。音速に近い速度まで近づいた例もあるらしい。
また、戦争が始まってからのバタバタで、大西洋を空輸するときに行方不明や事故がおきたことなどが記されている。本来の戦闘前に事故で飛行機や搭乗員が消耗することはどこの国でもにたようなことが起きている。
P-38は、そのナンバーからわかるように設計はかなり早い時期から始めている。
しかし、完成には時間がかかり、それでも戦場に登場したときにはその力を十分に発揮することができた。ヨーロッパ戦線だけでなく太平洋戦線でも活躍し、遠距離飛行ののちに山本五十六大将の搭乗する一式陸上攻撃機を撃墜したミッションでも有名。
双胴ゆえに、脱出時に尾翼に打たれて死んでしまうことが多かったり、双発なのに片肺飛行が難しくて墜落が多かったりと、へえというようなことが多くかかれていた。
読み応え十分、面白い一冊でした。
登場する飛行機
2 ボーイングB-17G
3 コンソリデーテッドB-24J
4 マーチンB-26マローダ
5 ダグラスA-26インヴェーダー
6 ビーチC-45エクスペディター
7 ダグラスC-47スカイトレイン
8 フェアチャイルドC-119
9 ボーイングB-47Eストラスジェット
10 ノースロップF-89スコーピオン
12 リパブリックP-47D
14 ベルP-63キングコブラ
15 ノースアメリカンP-82ツインムスタング
16 スピットファイア14型
20 グラマンF8Fベアキャット
22 フェアチャイルドPT19型
23 ヴァルティBT13型
24 ノースアメリカンT6テキサン
25 零戦
26 ダグラスA-20ハヴォック
27 ノースアメリカンB-25ミッチェル
28 ボーイングB-29スーパーフォートレス
31 ダグラスB-23ドラゴン
32 ハインケルHe111
33 ユンカースJu87
34 ユンカースJu88
36 フォッケウルフFw190
37 ノースロップP-61ブラックウィドウ
38 隼
39 ベルP-39
40 ホーカーハリケーン
41 ヴァルティXP-54
42 ロッキードXP-38
43 グラマンXP-50
44 グラマンXF5F-1
45 ロッキードYP-38
46 ロッキード・ロードスター
47 ハドソン爆撃機
48 カーチスSB2C-4ヘルダイバー
49 フォッケウルフ200K四発爆撃機
50 九七式大型飛行艇
52 XS-1
53 ロッキードP-80
54 C-130輸送機
55 サヴォイア・マルケッtィSM82
56 メッサーシュミットMe323
57 ユンカース52
58 AT-6練習機
59 AT-9練習機
60 P-43
61 メッサーシュミットMe210
63 二式水上戦闘機
64 ベルP-400
65 Mig-15
66 F86
マーチン・ケイディン
朝日ソノラマ文庫
昭和58年11月15日初判
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