遠い夏の日


ああ、この本をずっと探していました。
やっと書棚の奥の方から見つけ出しました。
わたしが飛行機本を読み出すきっかけになった本です。
昭和52年の角川文庫です。
まだ、赤本でない頃の角川文庫です。
表紙には「あじさい」やら「ゆり」やらが描かれている格調高い頃の角川文庫です。
ああ、やっと巡り会うことができました。
初恋の本です。

こういう戦記にはめずらしく女性の視点からの思い出を語るという書き方である。
というか、作者セイラ・パターソンは14歳の女の子なのである。(書いた当時ね)
父親はジャック・ヒギンズ、「鷲は舞い降りた」のベストセラー作家である。(・・・なるほど!)
内容は、ランカスター爆撃機の搭乗員と女性のほのかなラブロマンスである。
あくまでも清楚で、ドロドロはまったくないストーリー。
しかし、常に死や残酷な戦いの緊張がオブリガードで響いているのである。
後方射手の平均余命が出撃10回というのがシビア。
歴史的な背景や搭乗員の日常までよく取材してあるので驚く。

んー、もっとたくさん本を書いてくれるのかと思ったけれど、セイラ・パターソンはその後どうしたんだろう。
たぶん、年齢的には現在40代だと思うんだけど。

1 B-17
2 ランカスター
3 モーリス8サルーン
4 ソッピースキャメル
5 MG
6 プスモス
7 ハリファックス
8 Me109
9 フォッケ・ウルフFw190
10 ユンカースJu88

飛行機だけでは寂しいので自動車を2台まぎれ込ませました。


角川文庫
昭和52年11月30日
セイラ・パターソン 著
吉野美恵子 訳

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今、北野映画の「あの夏、いちばん静かな海」のオリジナルサウンドトラック、Silent Loveを聴きながら、このブログを読んでいます。飛行機にはあまり関心はありませんが、なんだか読んでみたくなりました。市