日本軍の小失敗の研究


太平洋戦争の頃の軍隊というのは官僚機構の最たるものであった。
さまざまないいかげんさと硬直さの積み重ねでとんでもないことになっていった。
これは今の官僚機構が噴出させている問題と重なるものである。
根拠のない精神主義と先送りにする問題解決の結果が太平洋戦争の大敗北であり、現在の年金システムの崩壊である。

硬直した陸軍と海軍の首脳部は、それぞれ国費を大規模に投じてDB601エンジンをドイツから買い、国産化をそれぞれの別会社で試み、互換性のない発展をさせ、実際にはクランク軸やベアリングの精度を上げられず、無駄な投資と無駄な人手を使い、実戦に使えなかった。

戦時は、高性能をねらうより、いかに生産性を上げるかを考えるべきである。
ボルト一つでも同じものにして、作業工程を少なくし、誰もが扱えるモノしなければならない。
しかし、太平洋戦争中は、同じ日本の軍隊の陸軍と海軍ではまったく別の規格で用語一つも統一されていなかった。
なんといっても、陸軍が潜水艦を作っていたというエピソードは、グリーンピアに通じる空しさと腹立たしさを感じますな。



飛行機リストは後日掲載予定


光人社NF文庫
三野正洋

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