忘れ得ぬ翼




 今年(2007年)の3月に城山三郎氏は亡くなった。父と同い年の80歳。

 城山氏と言えば経済小説が有名だが、実は航空機小説もたくさん書いておられた。自身が志願入隊の海軍特別幹部候補生だった。

 ここに取り上げたのは、いずれも市井の生活者である主人公が戦争時の思い出と現実とを行き来する内容である。コントラストがしっかりとつき、日常の生活をする主人公の心情が伝わってくる。

 月光荘余聞で暗視ホルモンの話が出てくるが、渡辺洋二さんはそのエピソードを取材から書いている。


神々の翼
1 一式高等練習機
2 九七式戦闘機
3 九五式戦闘機
4 I16
5 一式戦闘機「隼」
6 B29
7 グラマン(F6F)

雲からの生還
1 白菊
2 赤トンボ
3 彗星
4 ゼロ戦
5 メッサーシュミット(Bf109)
6 グラマン(F6F)
7 九九艦爆
8 ダグラス輸送機
9 セスナ

死の誘導機
1 銀河
2 二式大艇
3 彩雲
4 九七式大艇
5 B29

生きている化石
1 キ54・一式双発高等練習機
2
3 鍾馗
4 コンソリデーテッドB24

月光荘余聞
1 B29
2 月光
3 彗星
4 銀河
5 彩雲
6 天雷

脱出
1 一式陸攻
2 ダグラス輸送機
3 グラマン
4 九九式軽爆
5 ゼロ戦
6
7 飛燕

赤い夕日
1 B29
2 一式双発高等練習機
3 九九式軍偵察機
4 一〇〇式司令部偵察機

白い項
1 キ六七(飛龍)
2
3 鍾馗
4 九七式戦闘機
5 九八式直掩機
6 シコルスキー(コルセア)


文春文庫
1977年
城山三郎

シェパード


 「ジャッカルの日」で有名なフレデリック・フォーサイスの短編集である。他に、「ブラックレター」「殺人完了」という飛行機は全く出てこない作品が入っている。
 表題の「シェパード」は霧の中で故障がおきてさまようヴァンパイア戦闘機を助けるモスキートの話である。フォーサイス自身が編集した「翼を愛した男たち」というアンソロジーでは「羊飼い」という題で同じ話が掲載されている。訳が違うお話を続けて読んでみるのも一興かも。
 モスキートが霧の中から現れる場面は印象的である。双方の訳にも違いがある。
 篠原訳では「短い機首と球形のコックピット、機首にとまった気泡のような風防、ロールスロイスのマリーン型エンジンを翼下に抱き込んだスマートな二基のエンジン・ポッド」
 伏見訳では「短い機首、涙滴型のキャノピイ。機首にもパースペクスのふくらみがあり、二門の機関砲が敵に向けられている。すらりとした格好のいいエンジン覆いは、左右の翼にぶらさがったような格好である。そこに収められているのは職人芸の傑作ともいうべきロールスロイス・マリーン・エンジンであるが、それがうなりをあげ、夜の闇を家に向けて突き進んでいる。」
 フォーサイスは1956年から58年までイギリス空軍にいた経験がある。ヴァンパイアは戦争直後に現役についたので、その頃ではオンボロ機になっていたはず。
 「ブラッカムの爆撃機」と同じような雰囲気の話ですね。


1 ヴァンパイア
2 デ・ハヴィランド・モスキート
3 スピットファイア
4 ハリケーン
5 ハリファックス
6 スターリング
7 ランカスター

角川書店
昭和50年12月10日
フレデリック・フォーサイス 著
篠原 慎著

美貌なれ昭和



 先日、青山の「ウイング・クラブ」に初めて行った。目がテン状態の私に、スタッフがいろいろと話しかけてきた。ブロームウントフォスBvがあるんですねえ、などとジャブを出していたら、神風号の蘊蓄を十五分以上も聞かされた。まいりました。私の負けです。ということで、神風号のお勉強です。



1 神風号
2 零式戦闘機
3 ドボチアD33
4 コードロン・シムーンC620
5 ブレゲー19A2
6 キ15
7 八八式偵察機
8 U2型機
9 SR71
10 九八式直協
11 九二式偵察機
12 九試単戦
13 九六式陸攻
14 九六艦戦
15 百式司偵
16 A26
17 サルムソン2A
18 ドルニエ・コメット
19 四式戦
20 ノースロップ単発郵便機
21 朝風号
22 航空機研究所長距離記録挑戦機(航研機)
23 九五式二型練習機
24 スーパー・ユニバーサル機
25 MC20
26 DC10
27 ハインケルHE111
28 フィアットBR20
29 一式陸上攻撃機
30 キ43(一式戦)
31 キ44(二式戦)
32 キ84(四式戦)
33 ボーイング727
34 DC8
35 ボーイング727-200
36 九七司偵
37 B25
38 サボイア・マルケッティSM82
39 ブロムフォス222六発飛行艇
40 B17
41 B24
42 ランカスター
43 スツーカ
44 スピットファイア
45 B29

文藝春秋
1983年10月30日初版
深田祐介 著

(発行者が半藤一利さんだぞなもし)

大空の決戦




 どうも日本の戦記というのが苦手でつんどく本が多い。しかし、読み出すと面白い。
 この羽切松雄さんは、海軍志願兵としていわゆるカマたきの三等機関兵からパイロットに転向し、日華事変、太平洋戦争と戦闘機で戦ったとんでもない経歴の持ち主である。
 なにがとんでもないかっていうと、まず三等機関兵から搭乗員になる試験はとんでもない難関であること、それから10年以上も戦闘機で最前線で戦い続けて生き延びたということ。運や根性だけでなく、相当なクレバーさも文章からにじみ出てくる。大げさな表現がなく読みやすいのだ。鮮明に当時の状況が書かれているのは、記録もきちんととっていたんだろうな。
 「六機の護衛戦闘機」に出てくる杉田庄一が最初に撃墜された時、羽切さんは機上で目撃していて基地にもどってからジャングルに捜索に出かけたという場面も淡々と書かれている。

登場する飛行機
1 九〇艦戦
2 九三式中間練習機
3 九五艦戦
4 九六陸攻
5 九七式戦闘機
6 九九艦爆
7 B-17
8 B-24
9 B-25
10 B-29
11 F-13
12 F4F
13 F4U
14 F6F
15 P-38
16 P-39
17 P-40
18 P-51
19 SB爆撃機
20 イ15
21 イ16
22 一式陸攻
23 桜花
24 カーチス・ホーク
25 月光
26 三式艦戦
27 三式中間練習機
28 紫電一一型
29 紫電改
30 二式飛行艇
31 ハインケルHe112
32 雷電
33 零戦一一型
34 零戦二二型
35 零戦五二型
36 零戦六三型


朝日ソノラマ文庫
1994年3月20日初版
羽切松雄 著

英独軍用機




 副題は「バトル・オブ・ブリテン参加機の全て」である。
 著者の飯山幸伸さんも「分け入っても分け入っても奥の飛行機道」に入ってしまっている人なんだろうな。
 以前に「英独航空戦」という本を書いていて、その中に登場する飛行機を特にとりあげて別立てで書きたいと願いをもつようになり、できたのがこの本である。主役の飛行機から脇役の飛行機まで愛情を注いで書いている。好きなんだね、飛行機が。・・・って、人のこと行っている場合か。(先日、青山骨董通りの「ウィング・クラブ」で1時間もショーウィンドにへばりついてきた。ーん、すげえ。)
 まえがきの最後の部分、「活躍できなかった飛行機、パッとしなかった機種を笑い飛ばすのもひとつの風潮ではあるが、調べて書いているうちに、どの飛行機もどこかしら好きになってしまったという本音もある。」だよね。へんな飛行機って、魅力あるよ。

登場する飛行機も生半可な数じゃない。



メッサーシュミットBf109

1 U-12フラミンゴ
2 Bf108
3 ノール1000
4 ノール1101
5 Bf109V1
6 アラドAr80
7 フォッケウルフFw159
8 ハインケルHe112
9 He51
10 スピットファイア
11 He70
12 ブラックバーン・スキュア
13 ブラックバーン・ロック
14 Bf110
15 Ju88
16 ヘンシェルHs123
17 Me262A
18 ハリケーン
19 Bf109F
20 Bf109E
21 Bf109G
22 Bf109H

メッサーシュミットBf110
1 キ-45(屠龍)
2 十三試双発陸上戦闘機(月光)
3 フィアットCR25
4 フォッカーGI
5 ロッキードP-38
6 フォッケウルフFw57
7 ヘンシェルHs124
8 ポテ63
9 Bf109
10 Bf110B
11 Bf110C
12 PZL・P・11
13 ハリケーン
14 グラディエーター
15 ウエリントン爆撃機
16 モランソルニエMS406
17 カーチスH75
18 スピットファイア
19 He111
20 Ju88C
21 Do17カウツ
22 ホイットレー
23 ブレニム夜間戦闘機
24 Ju87
25 FW190
26 Me410
27 Bf110D
28 Bf110E
29 Bf110F
30 Me210
31 Bf110G
32 Bf110H

ハインケルHe111P,H
1 ハインケルHe5
2 HD56水上機
3 He42
4 He45
5 He50
6 He51
7 He59
8 He60
9 He111V、A
10 He70
11 Bf109
12 He111C
13 He111G
14 He111B
15 He111F
16 He111J
17 He111P
18 He111H
19 Do17
20 Ju88
21 ドボアチンD520
22 カーチスH75
23 He115
24 モスキート

ドルニエDo17
1 Do-N
2 Do-X
3 Do23
4 Ju52/3m
5 He70
6 Do17V9
7 Do17E
8 Do17F
9 ポリカルポフI-16
10 Do17M
11 Do17P
12 Do17Z
13 Do17S
14 DO215B
15 Do17U
16 He111
17 Ju88
18 スピットファイア
19 ハリケーン
20 ブレニム
21 Do217
22 He51
23 He70
24 九三式軽爆
25 九五式戦闘機
26 ウエリントン

ドルニエ215
1 Do17K
2 Do17Z
3 Do215

ユンカースJu88
1 Bf110
2 He70
3 Do17
4 Hs127
5 Ju85
6 Ju88A
7 Bf162
8 Bf109
9 Bf110
10 Ju87
11 Hs123
12 グロースター・ミーティア
13 スピットファイア
14 He111
15 Ju88B
16 Ju88C
17 Ju88D
18 Ju88P

ユンカースJu87
1 ユンカースフォッカーF-13
2 W33輸送機
3 K-43
4 K-37
5 K-47
6 九三式軽爆撃機
7 Ju20
8 Ju21
9 G24
10 R42
11 カーチスOC-1ヘルダイバー
12 He50
13 Hs123
14 Ju87A
15 He118
16 Ju87B
17 Do217
18 He177
19 Ju288
20 ハリケーン
21 グラディエーター
22 スピットファイア
23 ハリケーン
24 Bf109
25 Ju87B
26 Ju87C
27 イリューシンIl-2
28 Ju87D
29 Ju87G
30 Me210
31 Fw190

ユンカースJu86P
1 He111
2 Ju86G
3 Ju86R
4 スピットファイアMkV

フォッケウルフFw200C
1 Fw190
2 He111
3 He177
4 Fw200B
5 Fw200C

ユンカースJu52/3m
1 ユンカースJu52
2 ユンカースJu52/3m
3 DFS230グライダー
4 フォッカーD.XXI
5 ユンカースJu52/3mMS
6 ウエリントンDWI
7 Bv138MS

ハインケルHe59
1 He59B
2 Do18
3 Do24
4 Bf109
5 He115

ハインケルHe115
1 He59
2 He115V
3 He115A
4 He115B
5 ウエリントンDWI
6 He115C
7 Fw200C
8 Bf110D

ドルニエDo18
1 Do15ヴァール
2 Do18
3 Bf109E
4 Bv138
5 He59

ドルニエDo24
1 Do18
2 Do24K
3 Do24N
4 Do24T

ブローム・ウント・フォスBv138

1 Ha138
2 Bv138A
3 Bv138B
4 Ju52/3mMS
5 Bv138C

アラドAr196
1 He60
2 He114
3 Ar95
4 Ar196A
5 ハドソン
6 ボーフォート
7 ソードフィッシュ

ヘンシェルHs126

1 He46
2 Hs126A
3 Hs126B
4 フォッケウルフFw189

フィゼラーFi156

1 フィゼラーFi156Aシュトルヒ
2 フィゼラーFi156C
3 フィゼラーFi156D

ゴータGo145

1 Fw44
2 Ar66
3 Go145
4 Bu131
5 Kl25
6 Kl35
7 He72
8 Go145A
9 Go145B
10 Go145C
11 Po-2

フィアットBR20

1 BR20M
2 He111
3 Ju88
4 Do17
5 CR42
6 G50
7 カントZ1007bis

フィアットCR42

1 CR32
2 フィアットG50
3 CR42
4 BR20
5 マッキC200

フィアットG50

1 CR42
2 BR20
3 スピットファイアMkV
4 Bf109F
5 Bf109E
6 スピットファイアMkI
7 ハリケーンMKI

カントZ1007bis

1 Z1007
2 Z1007bis
3 ホイットレー爆撃機
4 G50
5 BR20

スーパーマリン・スピットファイア

1 フライヤー
2 S5
3 S6
4 S6B
5 スーパーマリン・タイプ224「スピットファイア」
6 スーパーマリン・タイプ425
7 スーパーマリン・タイプ300
8 ハインケルHe70
9 K5054(スピットファイア原型機)
10 Bf109
11 ハリケーン
12 ブレニムIF
13 ユンカースJu88
14 スピットファイアMkI
15 スピットファイアPR・IC
16 スピットファイアMkⅡ
17 零式艦上戦闘機
18 Fw190
19 ハドソン
20 スピットファイアMkV
21 ユンカースJu86P
22 スピットファイアMkⅥ
23 スピットファイアMkⅧ
24 スピットファイアⅨ
25 スピットファイアMkⅦ
26 スピットファイアMkXVI
27 スピットファイアMkXⅡ
28 スピットファイアXIV
29 V1(フィーゼラーFi103)
30 スピットファイアPR・MkX
31 スピットファイアPR・MkXI
32 スピットファイアPR・MkXIX
33 スピットファイアMkXV
34 スピットファイアMkXVⅡ
35 スピットファイアMkXVⅢ
36 スピットファイアMk21
37 ミーティア
38 バンパイア

ホーカー・ハリケーン

1 ソッピース・キャメル
2 スナイプ
3 ホーカー・ハート
4 フェアリー・フォックス
5 ホーカー・ホルスレー
6 アームストロングホイットワース・シスキンⅢ
7 グロースター・ゲームコック
8 ブリストル・ブルドッグ
9 ホーカー・オーダックス
10 ホーカー・へクター
11 ホーカー・ハートビー
12 ホーカー・ハインド
13 ホーカー・ホーネット
14 ホーカー・フェアリー
15 グロースター・グラディエーター
16 ホーカー・モノプレーン
17 スーパーマリン・タイプ425
18 ホーカー・シーホーク
19 マッキMC202
20 P-51
21 ハリケーンMk1
22 フェアリー・バトル
23 グロースター・ゴーントレット
24 ハインド
25 ブレニムMkIF
26 Do17
27 Bf109C
28 Bf109E
29 Bf110
30 タイフーン
31 V1(Fi103)
32 ハリケーンMkⅡ
33 ハリケーンMkV
34 ハリケーンMkX
35 ハリケーンMkXI
36 ハリケーンMkXⅡ
37 ハリケーンMkⅣ
38 Fw200C

ボールトンポール・デファイアント

1 ブリストルF・2B
2 ハリケーン
3 ブレニム爆撃機
4 オーバーストランド複葉爆撃機
5 ハリケーン
6 デファイアント
7 ホットスパー
8 He111
9 Ju88
10 Ju87
11 Bf109
12 スピットファイア
13 デファイアントNF/MkIA
14 デファイアントNF/MkⅡA
15 ボーファイター
16 モスキート

ブリストル・ブレニム

1 ブリストル142
2 ブリストル135
3 フューリー
4 ブレニムMkI
5 Bf109
6 ブレニムMkIⅣ
7 ブレニムMkⅣW
8 ブレニムMkⅣF
9 ボーファイターMkI
10 デファイアントNFMkIA
11 ウエリントンDWI
12 ダグラス・ハボック
13 デハビランド・モスキー
14 ビズレイ
15 ブレニムMkV

ブリストル・ボーファイター

1 ボーフォート
2 Bf110
3 ボーファイター
4 ブレニムMkIF
5 ボーファイターMkⅡF
6 Ju88
7 ボーファイターMKIC

グロスター・グラディエーター&シーグラディエーター

1 スピットファイア
2 ゴーントレット
3 グラディエーターMkⅡ
4 シーグラディエーター
5 ハリケーン
6 スピットファイア
7 ハリケーン

フェアリー・フルマー

1 フルマーMkⅠ
2 ニムロッド
3 シーグラディエーター
4 バトル
5 フルマーMkⅡ
6 シーハリケーン

ヴィッカース・ウェリントン

1 ハンプデン
2 ヴィッカース271
3 ウェリントンMkⅠ
4 ウェリントンDWI・MkⅡ

ハンドレページ・ハンプデン

1 ハンドレページHP52
2 ハンドレページ・ハンプデン

アームストロングホイットワース・ホイットレー

1 ウェリントン
2 ハンプデン
3 ハンドレページ・ヘイフォード
4 ホイットレーMkⅠ
5 ホイットレーMkⅡ
6 ホイットレーMkⅢ
7 ホイットレーMkⅣ
8 ホイットレーMkV
9 He111
10 Bf110
11 Ju88C
12 Do17カウツ
13 ホイットレーMkⅦ
14 スピットファイア
15 モスキート

ロッキード・ハドソン

1 ロッキード・モデル14スーパーエレクトラ
2 DC3
3 アンソン
4 ハドソン
5 Bf109
6 スピットファイアPR

ブリストル・ボーフォート

1 ブレニムMkⅣ
2 ブラックバーン・ボータ
3 ボーフォートMkⅠ
4 ボーフォートMkⅡ

マーチン・メリーランド

1 カーチスH-75(P-36)
2 ダグラスDB-7(A-20)
3 マーチンM-167F
4 ノースアメリカンNA-67(BT-9)
5 ボートV-156(SB2U)
6 メリーランドMkⅠ
7 メリーランドMkⅡ

フェアリー・バトル

1 ホーカー・ハート
2 フェアリー・バトルMkⅠ

ショート・サンダーランド

1 ショート・エンパイア
2 サンダーランドMkⅠ哨戒爆撃飛行艇
3 サンダーランドMkⅡ
4 Bf110

アブロ・アンソン

1 アブロ652
2 ハドソン
3 アンソン
4 Bf109
5 Ju87
6 Ju88
7 オックスフォード

ウエストランド・ライサンダー

1 ライサンダー
2 スピットファイアー

フェアリー・ソードフィッシュ

1 ソードフィッシュ
2 ハリケーン
3 アルバコア

フェアリー・アルバコア

1 ソードフィッシュ
2 アルバコア
3 ダグラスTBDデバスター
4 アルバコア

ブラックバーン・スキュア&ロック

1 スキュアMkⅠ
2 ブリストル・ブレニム
3 スキュアMkⅡ
4 Do18
5 フェアリー・フルマー
6 ビンディケーター
7 デファイアント
8 Ju87
9 ロック

エアスピード・オックスフォード

1 AS・5(クーリア)
2 AS・6エンボイ
3 オックスフォードMkⅠ
4 オックスフォードMkⅡ
5 Ju88

デハビランド・タイガーモス

1 DH82タイガーモス
2 DH60ジプシーモス
3 スピットファイア
4 マイルズ・マジスター
5 DH87ホーネットモス

マイルズ社の各機

1 マスターMkⅠ
2 デハビランド・タイガーモス
3 スピットファイア
4 マイルズ・M20
5 マイルズ・マジスター
6 ハリケーン

アブロ・ロータ

1 アブロ・ロータMkⅠ
2 LeO・C・301
3 CAHI・A-7
4 アブロ・シェルバ・C301

ふぅ、疲れた。


光人社NF文庫
2003年5月8日初版
飯山幸伸

六機の護衛戦闘機



 8月15日、暑い夏にこの本を読んだのは私のちょっとしたこだわりでもある。
 著者、高城肇さんは雑誌「丸」の編集者で、光人社の社長さん(今、調べたら会長さんだった)。高城さんが神田駿河台でこの本を書かれた頃に、私も神田駿河台で学生やっていた。この本は、30年くらい前の暑い夏休み、大学近くの駿河台下の書店で購入したのだ。駿河台下の角にあった洋食屋さんに海軍関係の写真などが飾ってあったっけ。

 紙焼けした扉裏に「-君達の長い通夜はまだ終わらない」と書いてある。
 戦後・・・何年たったのだろう(・・・62年だ)。
 なぜ、通夜が終わらせてもらえないのか。
 それはこの本に登場する6人の負ったDUTYであるのだ。
 この本が書かれたのは戦後25年目。
 そろそろ、通夜も終わりにしてあげたいね。

 この6人とは、山本五十六元帥の乗った一式陸上攻撃機の護衛をしていたパイロットたちなのだ。当時は神様のような存在であった山本元帥を護衛していて、ついに守りきれなかったその重い負い目を負わなければならなかったのである。6人のパイロットたちは、死に場所を与えられるかのように激戦の地へ連日攻撃に出ることになる。

第一分隊分隊長 森崎武中尉、二番機 辻野上豊光一飛曹、三番機 杉田庄一飛兵長
第二分隊分隊長 日高義巳上飛曹、二番機 岡崎靖二飛曹、三番機 柳谷謙治飛兵長(終戦まで生き抜く)

 その中でも杉田庄一は、死中に生を得るような戦いの場に身を置き続け、未確認ながら撃墜100機以上(日本最多)と言われている。終戦間近には、源田実大佐が四国松山で組織した有名な343空に呼ばれ、スクランブル発進の最中にグラマンF6Fに撃ち落とされる。映画「零戦燃ゆ」の濱田庄一パイロットのモデルとなった人物である。昭和15年舞鶴海兵団に入団、その後予科練・戦闘機専攻学生と進んで飛行機乗りになった。新潟県上越地方の浦川原村出身で、同じく上越出身の私は杉田に親近感をもった。私の父も(今はよぼよぼしてはいるが)、昭和17年に同じく直江津から舞鶴海兵団に志願兵として17歳で入団していることもあり、父の青春とも重なるのだ。(父は搭乗員ではなく、整備員になったが。)


 もう一話の「非情の空」は、ラバウルでの海軍航空隊の話。坂井三郎の「大空のサムライ」が有名だが、これは異聞零戦記というところか。



六機の護衛戦闘機
1 九六艦上戦闘機
2 零式艦上戦闘機
3 一式陸上攻撃機
4 ロッキードP38
5 カーチスP40
6 ベルP39
7 ヴォート・シコルスキーF4Uコルセア
8 ボーイングB17
9 グラマンF4F
10 紫電改
11 グラマンF6F


非情の空
1 零式戦闘機
2 カーチスP40ウォーホーク
3 マーチンB26マローダ
4 ボーイングB17フォートレス
5 ベルP39エアラコブラ
6 ロッキードA29ハドソン
7 ノースアメリカンB25ミッチェル
8 スピットファイア
9 グラマンF4Fワイルドキャット
10 SBDドーントレス



光人社
昭和48年5月10日初版
高城 肇 著


光人社文庫と中公文庫でも出版されている。
中公文庫版では「六機の護衛戦闘機」と「非情の空」が別冊となっている。

(光人社文庫版表紙)


(中公文庫版「非情の空」)

飛燕独立戦闘隊





 「秘めたる空戦」のコミックである。細かな所まで原作にそって描かれている。というか、原作読んでないと、細かな描写が分からないかも。
 原作ではよく分からなかった空戦中の飛行機の動きや改良したステッキの様子もよく分かる。しかし、原作を読まないとこの改良がなぜ生まれてきたのか分からないだろうな。結論、コミックを読む前に「秘めたる空戦」を読むべし。
 あとがきには、この松本氏に関する新たな情報も・・・。捕虜になってからと戦後の様子もちと興味があるのだが。

 それにしても、滝沢聖峰さんの描く飛行機はとても美しいヨ。

 登場する飛行機は、「秘めたる空戦」参照だな

「松本!、燃料残、ウエワクまでの距離、進路どうなってる?」

大日本絵画
原作 松本良男、幾瀬勝彬
劇画 滝沢聖峰
1998年初版

迎撃戦闘機「雷電」



 副題は「B29搭乗員を震撼させて海軍局地戦闘機始末」と書かれている碇義朗さんのテクノロジー本である。碇さんは「紫電改の六機」が有名であるが、飛行機や自動車のテクノロジーに関する本も多い。
 渡辺洋二さんの「雷電」が入念なインタビューから稿を起こしているのに対して、碇さんは丁寧な文献研究からのアプローチが多いような気がする。続けて読むと比較ができておもしろいかもね。
 ゼロ戦無敵神話につながる昭和15年9月13日の重慶上空の戦闘をこの本でも取り上げている。渡辺さんも「異端の空」で取り上げているので、両者の取り上げ方が比較できる。

 もちろん、この本をよめば「雷電」のエキスパートになれることは間違いない。


1 十四試局地戦闘機(雷電)
2 九六式艦上戦闘機
3 ハインケルHe112
4 メッサーシュミットMe109
5 フィアットBR20爆撃機
6 セヴァスキー2PA
7 SB爆撃機
8 九六式陸上攻撃機
9 九六式艦上戦闘機
10 七試艦上戦闘機
11 十二試艦上戦闘機(零戦)
12 スピットファイア
13 十三試艦上爆撃機(彗星)
14 ハインケルHe100
15 十三試双発戦闘機
16 二式陸上偵察機
17 夜間戦闘機「月光」
18 零戦一一型
19 零戦二一型
20 零戦三二型
21 零戦五二型
22 一式陸上攻撃機
23 「紫電」
24 ボーイングB17
25 一式戦闘機「隼」
26 「鍾馗」
27 十五試水上戦闘機(強風)
28 十七試艦上戦闘機(烈風)
29 ノースアメリカンB-25
30 二式飛行艇
31 十四試水上偵察機(紫雲)
32 F6F「ヘルキャット」
33 F4F「ワイルドキャット」
34 P47「サンダーボルト」
35 P61[ブラックウイドウ」
36 ヴォートF4U[コルセア」
37 「紫電改」
38 F8F「ベアキャット」
39 Y20陸上爆撃機「銀河」
40 九九式艦上攻撃機
41 九七式二号艦上攻撃機
42 B29
43 一六試陸上攻撃機「泰山」
44 P38
45 「雷電」十一型
46 キ84「疾風」
47 「天山」艦上攻撃機
48 十七試局地戦闘機「閃電」
49 「雷電」三二型
50 メッサーシュミットMe262
51 メッサーシュミットMe163
52 P51「ムスタング」
53 「秋水」
54 F13
55 「雷電」三三型
56 「彗星」
57 グラマン「アベンジャー」
58 三式戦闘機「飛燕」
59 「震電」
60 「烈風改」
61 「電光」
62 「天雷」
63 ミグ15
64 「鍾馗」



光人社
1997年7月22日初版
碇 義朗 著

大空に生きる



 ハンナ・ライチェは第二次世界大戦前から戦後まで活躍したドイツのグライダーパイロット。異色なのは女性であり、戦争中はMe163の開発にもかかわり、ヒトラー最後の数週間をその側で過ごした経歴をもつこと。また、ドイツ版の特攻隊とも言えるMe328による自己犠牲攻撃をヒトラーに願い出るエピソードやヘリコプターを市街戦で活用しようとルーデル大佐(急降下爆撃機参照)と相談するエピソードなど、彼女をとりまく話題は刺激的である。
 秦郁彦さんの「第二次大戦航空史話・上」の中でも第十三章に「鉄十字章の女性飛行家」として取り上げられている。

1 初級滑空機(プライマリー)
2 中級滑空機(セカンダリー)
3 メルセデス「クラム」
4 「グルーナウ=ベイビー」
5 ハインケルHe46
6 「ツェッペリン伯号」
7 「クラニヒ」滑空機
8 水上滑空機「ゼーアドラー」
9 ユンカースJu87
10 ドルニエDo17
11 ヘリコプター
12 フィーゼラー「シュトルヒ」
13 「ハビーヒト」号グライダー
14 ユンカースJu52
15 Me163
16 Bf110
17 V1号
18 Me328
19 Do217
20 He111
21 Fw190
22 アラド96

朝日ソノラマ文庫
昭和57年8月30日初版
ハンナ・ライチェ 著
戦史刊行会 訳

異端の空 



 副題は太平洋戦争日本軍用機秘録。

 渡辺洋二さんの取材力には執念のようなものを感じる。関係者に丁寧に聞き取りを行い、語られる言葉から真実の流れをつかもうとする。新聞記事などによく見られる「最初に流れがあり、その流れに合わせて取材を行う」ことが感じられない。題名の「重い飛行機雲」という意味がホントに重く伝わってくるような話が多く載せられている。

 45年目の真実では、夜間戦闘機搭乗員にヒロポンを打っていたという実話。この話どこかで読んだことがあるなと思っていたが、城山三郎さんの月光荘余聞だった。

 「異端の空」では、「秋水」、「ユングマン」、「研三」、「震電」などかなり異色の飛行機とそれにかかわった人々を書いている。また、名機伝説で真実が隠れがちな零戦神話、ゼロ観神話、大艇神話に「渡辺洋二の目」を当てているのも興味深い。


「秋水一閃」
1 メッサーシュミットMe163
2 「雷電」
3 「鍾馗」
4 「秋水」
5 「月光」
6 零式輸送機
7 Me262A
8 ボーイングB-29
9 二式水戦
10 グラマンF4F
11 ボーイングB-17
12 Me109
13 Me110
14 ボーイングF-13A
15 九三式中間練習機
16 零戦
17 「紫電改」
18 九五式練習機
19 零式練習戦闘機
20 零式戦闘機21型
21 零式戦闘機52型
22 「光」六-二ソアラー
23 九三式中間練習機
24 「天山」
25 「力」ソアラー
26 二式中間練習機
27 軽滑空機「秋草」
28 重滑空機
29 「白菊」
30 B-24
31 P-51

「無敵伝説へのプロローグ」
1 零式艦上戦闘機
2 九六式艦上戦闘
3 九六式陸上攻撃機
4 I-16
5 I-152
6 九八式陸上偵察機
7 九九式艦上爆撃機 

「ユングマンの満州」
1 ビュッカー「ユングマン」
2 九九高等練習機
3 九五式中間練習機
4 キ八六・四式練習機(ユングマン)
5 二式陸上機本練習機「紅葉」(ユングマン)
6 B-29
7 一式双発高等練習機
8 四式戦闘機「疾風」
9 一式戦闘機「隼」
10 二式複座戦闘機「屠龍」
11 Yak-3
12 Yak-9

「過負担空域に苦闘す」
1 零式観測機
2 九五式水上偵察機
3 九四式水上偵察機
4 零式水上偵察機
5 二式水上偵察機
6 ベルP-39
7 ロッキードP-38
8 グラマンF4F
9 ボーイングB-17
10 ノースアメリカンB-25
11 SBDドーントレス
12 カーチスP-40
13 TBFアベンジャー
14 F4Uコルセア
15 零戦
16 九九艦爆
17 一式陸攻
18 グラマンF6F
19 カーチスSB2Cヘルダイバー
20 ロッキード「ハドソン」
21 B-24
22 ブリストル「ボーファイター」

「大艇、多難の時」
1 二式飛行艇
2 B-29
3 九七式艦攻
4 二式飛行艇輸送機型「晴空」
5 グラマンF6F
6 PB4Y「プライバティア」


「最高速レシプロ機『研三』」
1 MC72
2 Me209
3 キ七八「研三中間機」
4 キ四五
5 キ一〇八
6 九七式戦闘機
7 キ四三(一式戦闘機「隼」)
8 キ四四(二式戦闘機「鍾馗」)
9 零戦
10 三式戦闘機「飛燕」
11 P-51
12 スピットファイア
13 「彗星」
14 P-40
15 タイフーン
16 P-39
17 モスキート
18 Bf109
19 キ六一「飛燕」
20 B-25
21 「秋水」

「前翼型戦闘機『震電』」
1 フォッケウルフF19
2 零戦
3 月光
4 ダグラスA-20
5 カーチスP-40
6 「彩雲」
7 「烈風」
8 「紫電」
9 「天雷」
10 「陣風」
11 「銀河」
12 「景雲」
13 九七艦上攻撃機
14 三式初歩練習機
15 一三式初歩練習機
16 九〇式小型水上偵察機
17 九〇式機上作業練習機
18 九二式艦上攻撃機
19 ユングマン
20 九六式水上偵察機
21 二式中間練習機
22 機上練習機「白菊」
23 二式練習用戦闘機
24 零式水上偵察機
25 二式練習用戦闘機
26 一一式水偵
27 「彗星」
28 零式水偵
29 「東海」
30 B-24
31 B-17
32 B-29
33 「研三」
34 「雷電」
35 「閃電」
36 A-20
37 「紫電改」
38 「橘花」
39 「秋水」


文春文庫
2000年7月
渡辺洋二 著

秘めたる空戦


 その筋の同好者の間ではかなり有名な本。
 ソロモンからニューギニアの戦線で独立飛行戦隊として飛燕で戦った記録。
 とてもカッコイイ小沢隊長とマニアックな整備員日野軍曹、そして比類無い天性のカンで飛燕をあやつる主人公松本。
できすぎ・・・かも。
 隊長と松本のやりとりはまるで脚本を読んでいるようだし、本人が生きているにもかかわらず本人の手紙をもとに編集したことになっているのも無理矢理感がある。
 宮崎駿がとても気にいっていて映画の原作になるのではとか実はすべてフィクションではないかとか書かれているブログもある。
 確かに面白い。
 これまでたくさん出版された空戦機とは全く違う。
 戦闘シーンは圧倒されるし、地上での日野軍曹と松本のかけあいは、F1レーサーとメカニックのようだ。
 エンジンをボアアップしたり、重量軽減のために内装に手を入れ、装甲版をはずしてしまうなど改造に改造を重ねる。
 松本は携行する弾丸や燃料まで少なくして、飛燕の限界を引き出そうとする。
 こりゃマンガだな・・・と思っていたら、ちゃんとコミックになっていた。
 「飛燕独立戦闘隊」(大日本絵画,松本 良男,幾瀬 勝彬,滝沢 聖峰)

登場する飛行機
1 三式戦闘機「飛燕」
2 一式戦闘機「隼」
3 B-17
4 P-40
5 A-20
6 九七式戦闘機
7 九七式重爆撃機
8 九九式軽爆撃機
9 一〇〇式司偵
10 B-24
11 F4U
12 P-38
13 F6F
14 二式戦闘機
15 四式戦闘機

「松本!残燃料、進路、すみやかに報告しろ!・・・・・」


光人社
1989年
松本良男 著、幾瀬勝彬 編

禁じられた約束




日常生活からわずか踏み出すことの冒険が少年時代にはとても大きな意味をもっている。
私にもフラッシュバックする少年時代の残像がある。
読んでいて小鼻のあたりがむずむずした。
せつないのだ。

「ぼくとヴァレリーの初恋の物語」と言えばそれまでだが、
愛とか恋とかそんなありきたりの言葉ではこの物語をかたることはできない。
少年の心のむずがゆさやらどうしようもないようなおしつぶされる思い。
たまらなくせつないのだ。
たしかに少年時代に一時期、死がとても身近になるもの。
そして、戦争がひたひたと押し寄せてくる中のありきたりの日常生活のいとおしさ。


ハリーポッターの100倍も読む価値のある本だよ。

登場する飛行機
1 スピットファイア
2 ハリケーン
3 ハインケル
4 メッサーシュミッ・・・特に型番を書いてないのでBf109だろうな
5 メッサーシュミット110
6 ドルニエ(鉛筆)
7 ユンカース88


徳間書店
2005年
ロバート・ウェストール 著
野沢佳織 訳

ブラッカムの爆撃機



ロバート・ウェストールの「ブラッカムの爆撃機」宮崎駿の書き下ろし「タインマスへの旅」が入った岩波書店版が有名だが、私の持っているのは1990年の福武書店版である。収録されているのは表題でもある「ブラッカムの爆撃機」と「チャス・マッギルの幽霊」の2作である。もちろん2作ともものすごくいい。
名著である。

私は、小学校の高学年時代からイギリスの海洋冒険物語に浸っていた。
(それがひねこびた性格をつくることになるとは知らずに)
どんな物語でも必ずといっていいほど皮肉屋が出てきて、苦境になったときにジョークで乗り越える。
それが面白くて、いつのまにか自分自身が皮肉屋になり、現在妻に嫌われている。
自分としては、ジョークでも言うしかない、ジョークでもって苦境を乗り越えようとするのだが、口が悪いヤツとしか見られていない。
悲しい。

ブラッカムの爆撃機でも苦境をジョークで乗り越えていく場面が何度も出てくる。
ああ、これこれ・・・と久しぶりに味わった。

それから、爆撃機の中のにおいが印象的である。
その通りには書いていないけれど、出撃のたびに反吐と血と糞尿にまみれた臭い、それらを消毒した臭い、ドープ塗料の臭いが入り交じって伝わってくる。
(主人公や同僚の搭乗員は、ことあるごとに吐いている)
それが戦場なんだと思う。
そういえば「フォッケウルフ」でも、反吐と糞尿まみれのコクピットのことを書いていたっけ。
戦う飛行機のコクピットは・・・そういうもんなんだね。


そして、登場する飛行兵たちの若さが強烈。
「フォッケウルフ」や「夜間戦闘機」でも、主人公の若さを強く感じた。
前線で死をかけて戦った者はみな若者だった、いや少年だったことをいまさらながら痛感する。

我が家の息子も時代が時代なら、戦場に・・・と思うとね。
自分が19歳の時はそんなこと思わなかったのだけど。


そのうち岩波書店版を手に入れようと思っている。

登場する飛行機一覧です。
1 スピットファイアー
2 メッサーシュミット一〇九
3 ウェリントン爆撃機(ウィンピー)
4 ランカスター
5 ボーファイター
6 ユンカース八八(ふくろう)
7 ホィットリー
8 フレーザー・ナッシュ・・・これは銃座です。詳しくは、「クルマが先か?ヒコーキが先か?」
9 ドルニエ二一七


福武書店ベネッセ
1990年
ロバート・ウェストール 著
金原端人 訳