重い飛行機雲



 人に中心をおいたノンフィクションだったと「異端の空」のあとがきに書いている。
(ちなみに「異端の空」は飛行機、メカニック開発などにシフトしているそうだ)
その通り、どれも重い人間ドラマがそこにある。
 45年目の真実では、覚醒剤(ヒロポン)をそうと知らされず、暗視のためということで与えられた夜間飛行機搭乗員の記録。これは、城山三郎氏の「忘れ得ぬ翼」でも取り上げられ、「月光荘余聞 」という短編小説にまとめられている。
 昭和18年以降の日本の戦記は、逼迫した状況で特攻などの重い内容をもつものが多い。読んだあとも、せつない思いが残る。

1 45年目の真実 
 1 夜間戦闘機「月光」
 2 「彗星」
 3 B-29
 4 B-17
 5 B-24

2 さいはて迎撃戦 
 1 「隼」
 2 B-25
 3 B-24
 4 B-17
 5 ロッキードPV-1「ベンチュラ」
 6 零戦
 7 二式戦「鍾馗」
 8 I15
 9 I16
 10 九六陸攻
 11 九六式輸送機

3 敵国から凱旋 
 1 九六式陸上攻撃機
 2 一式陸上攻撃機
 3 零戦
 4 グラマンF4F
 5 P-38
 6 P-40
 7 九九艦爆
 8 C-47
 9 メッサーシュミットBf109

4 激突の果てに 
 1 B-24
 2 月光
 3 九九式艦上爆撃機
 4 グラマンF6F
 5 偵察機「彩雲」
 6 P-38
 7 「彗星」

5 特攻隊、海軍にただ一つ 
 1 B-24
 2 P-47
 3 B-29
 4 P-38
 5 一式陸攻
 6 桜花
 7 F6F

6 主戦場は夜の沖縄 
 1 「月光」
 2 零戦
 3 零式水上偵察機
 4 「雷電」
 5 「彩雲」
 6 「彗星」
 7 F4U1Dコルセア
 8 F6F5Nヘルキャット
 9 P-61ブラックウィドウ

7 空と海で特攻二回 
 1 「飛燕」
 2 B-29
 3 F-13A

8 新撰組隊長の討ち死に 
 1 B-24
 2 「紫電」
 3 「紫電改」
 4 「彩雲」
 5 F6F
 6 B-24
 7 B-29
 8 P51D

9 「流星」の名のごとく 
 1 零式水上偵察機
 2 流星改
 3 晴嵐
 4 彗星
 5 天山
 6 F4Uコルセア
 7 B-29
 8 P-51
 9 F6F

10 最強の防空部隊三〇二空 
 1 B-29
 2 月光
 3 雷電
 4 零戦
 5 彗星
 6 彩雲
 7 F-13
 8 銀河
 9 P-51D
 10 P-38

11 三〇二空の最後 
 1 雷電
 2 零夜戦
 3 彗星
 4 月光
 5 銀河
 6 B-24
 7 彩雲
 8 九九艦爆
 9 一式陸上攻撃機
 10 F6Fヘルキャット
 11 F4Uコルセア
 12 C-47
 13 C-54


文春文庫
1999年8月10日
渡辺洋二 著

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