決戦機「疾風」航空技術の戦い




 実はずいぶん前に夏の東京出張でホテルで読んでいたのだが、ずっとバッグの中に入れっぱなしだった。一気に読んでしまった面白い本だった。
 副題はしらざれる最高傑作機メカ物語である。本当によく技術的な取材をしている。さすが碇さんである。ガバナー(プロペラの調速機)の話が面白かった。
 また、せっかくの最高メカであるが、あまりに繊細で技術を詰め込みすぎた誉エンジンが実は弱点だったのがよく分かった。整備するにも小さくしすぎで手が入らないエンジンより、大雑把でも余裕をもって作ったアメリカの2000馬力エンジンが戦時には必要だった。
 こんなにして作った最高傑作メカでありながら、始動するのに3人掛かりでイナーシャを回さなければならず、失敗すると精度も悪く歩留まりの悪いプラグ全部交換せねばならなかったという。おとぼけP-40でも、スターター一発でセルモータで始動していた。フォッケウルフなんかも、オール電化で、稼働するものはみな電動だったって言うから、ちとおそまつ。
 
 とはいえ、疾風はスタイルがいい。かっこいい。好き!

1 キ84「疾風」
2 ハインケルHe112
3 十二試艦戦
4 九六艦戦
5 零戦
6 メッサーシュミットMe109
7 キ44「鐘馗」
8 キ60
9 スーパーマリン・スピットファイア
10 ホーカー・ハリケーン
11 九六式艦上戦闘機
12 九六式陸上攻撃機
13 九七式戦闘機
14 キ43「隼」
15 九一式戦闘機
16 PA実験機
17 キ11
18 PE実験機
19 E15(イ15?)
20 E16(イ16?)
21 カーチスP40
22 ブリュースター・バッファロー
23 キ45複座戦闘機
24 キ46司令部偵察機
25 キ49重爆撃機
26 キ27
27 キ49呑龍
28 キ61「飛燕」
29 紫電
30 強風
31 キ82高速重爆
32 キ67
33 ボーイングB29
34 P51Dムスタング
35 フォッケウルフFw190
36 ブリストル・ブレニム
37 メッサーシュミットMe210
38 リパブリックP47
39 ノースロップP61ブラックウイドウ
40 F6Fヘルキャット
41 烈風
42 銀河
43 流星
44 烈風
45 彩雲
46 天雷
47 連山
48 屠龍
49 キ46Ⅲ型
50 キ86
51 B17
52 キ96
53 キ102
54 キ106(木製疾風)
55 B24
56 B25
57 ロッキードP38
58 カーチスSB2C
59 桜花
60 メッサーシュミットMe262シュワルベ
61 キ117

光人社NF文庫
2007年6月11日
碇 義朗

0 件のコメント: