ワイルド・ブルー




 薄いアルミニウム板で作られた機体で、操縦は難しく、非常に体力を消耗する。与圧装置はなく、腸管にたまったガスが風船のように膨れ、痛くて腹を抱え、うずくまる者もいた。爆弾倉は巻き上げるタイプで、50キロほどの重みしか耐えられなく、足を滑らせればそのまま扉を破ってしまう。座席はパッドが入ってなく、身体を伸ばすこともできず8時間ときに10時間も耐えねばならない。それがリベレーターと名付けられた第二次世界大戦中、もっとも多く生産された飛行機なのだ。

 この物語は、ジョージ・マクガヴァン(後にアメリカ大統領候補となる)の第二次大戦中にB-24で戦った記録である。戦記というよりも、事実を短く書き連ねていくマクガヴァンの伝記のような書き方をしている。しかし、そのすじの者にも十分すぎるほどのB-24の物語となっている。

 B-17の戦記は多いが、それ以上に生産されたB-24の戦記は少ないのはなぜだろう。B-24も同じような戦場で、同じような過酷な戦いをした。血と汗とオイルのにおいが本を読むとただよってくる。




1 B-24「リベレーター」
2 B-17
3 DC-3
4 XB-19
5 PT-19
6 AT-10
7 AT-7
8 B-12
9 PT-17
10 PT-19
11 BT-13
12 P-47
13 AT-9
14 AT-17
15 P-70
16 B-25
17 A-20
18 ME163
19 ME262
20 ME109
21 P-51


ワイルド・ブルー
株式会社アスペクト
2002年6月7日 発行
スティーヴン・E・アンブローズ

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