なんともはやの訳なのです。
この言い回しは、きっと英語でこうなんだろうなと考え、それを自分なりに訳してつじつまがあうみたいなところがありました。
よくあるB17での爆撃行の物語。
副操縦士のボーマンが主人公で、クルーそれぞれの葛藤や人間関係などがよく描かれていて(というか、いると思われ)、楽しめることは楽しめる。
特に、機長のマローが心を壊していく過程が興味深い。
しかし、である。
日本語の文章がなんてこったいなんです。
文章からは、その過程がなかなか伝わってこない。
また、故郷にいるいいなづけのことがちらっと出てくるが、いつのまにか現地での恋人ダフネが登場し、説明はいっさいなし。
どうなっているんだろうと思いつつ、最後まで分からないまま。
そのダフネとのボーマンの関係もよく分からない、原文ではどうなっているんだろうと思ってしまう。
最悪なのは、B17につけられたそれぞれの愛称。
主人公の乗るB17は「いかす娘号」は、まだいいとしても(よくないが)、
その他に出てくるのが「恋人同士号」だとか「社長仲間号」。
「天使の足どり号」「木造りキツツキ号」「ディナより美人号」「消耗品六世号」「でぶっちょマギー号」って、へんな名前のオンパレード。
そのまま、訳せばいいってもんじゃないでしょ。
まだまだある。
「往復切符号」・・・って、こりゃなんじゃい。
ストーリーについて、ひっかかっるものがあったのだけれど、ネットで調べていて分かりました。
1963年にスティーブ・マックイーンとロバート・ワグナーで映画になっていました。
映画の題名が「戦う翼」だ。
そういえば、昔みた記憶があった。
レンタルで借りて来て映画も見てみようっと。
○主人公の乗る機体は
・ボーイングB-17「フライング・フォートレス」
○その他、登場する機体は
・フォッケウルフFw190
・メッサーシュミットMe109
・メッサーシュミットMe110
・ドルニエDo217E
・ハインケルHe113
・P-47サンダーボルト
・スピットファイア-5
・スピットファイア-9
・ボーイングYB-40
・ユンカースJu88
・メッサーシュミットMe210
・ムスタング
「戦う翼」(原題 THE WAR LOVER)
ジョン・ハーシー作
吉良忍訳
昭和63年5月20日発行
朝日ソノラマ文庫
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