二式大艇空戦記


 著者は九七式大艇から二式大艇のパイロットとして第二次大戦を過ごし、最後は神風特別攻撃隊梓隊としてウルシー攻撃に参戦した経験をもつ。

 日本ではめずらしい4発機である二式大艇の当時の様子がよく分かって興味深い。海上長距離をレーダーなしで飛ぶことがいか難しいことであるか。台風下の悪天候を飛行しているときの描写で、搭乗員がみな目を回し嘔吐まみれで伸びている場面があるが、ランカスターやB17の爆撃行でも嘔吐する話が出てきたのを思い出した。

 後半は、神風特別攻撃隊としてウルシー攻撃に参加する様子が克明に記録されている。決して、美談では済まされない、当事者として味わった苦悩やせつなさがよく伝わってくる。




1 二式飛行艇
2 銀河
3 グラマンF6F
4 ロッキードP38
5 ボーイングB29
6 九七式飛行艇
7 彩雲
8 極光
9 PB4Y2

長峯五郎
光人社文庫
2007年1月

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