瀕死の戦闘機隊




原題は「DIE STERBENDE JAGD」
松谷健二さん訳のドイツ文学です。
「明日をも知れぬ戦闘の中、彼らはいかに生き、死んでいったの?第二次世界大戦を舞台に、大空に生きる男たちの姿を情感こめて描く、ドイツ戦争文学の傑作!」と裏表紙に書かれています。確かに拡張高い、文学作品ですので、読むには覚悟がいるかも。

第二次世界大戦末期のフォッケウルフF190戦闘機隊の日常です。
主人公を限定せず、群像として描き、しかもストーリーが展開するわけでもなく、エピソードがつらなっていくので、読むのがつらいです。
3回挑戦して、いつも途中で挫折。
今回も前半は丁寧に読み進んだのですが、後半は読みとばしてしまいました。

搭乗する飛行機は以下のとおり。
1 シュトルヒ
4 モスキート

早川文庫
昭和54年初版
ゲルト・ガイザー
松谷健二訳



リアル・グッド・ウォー




戦記というよりむしろ純度の高い青春文学です。
アメリカでの訓練からイギリスにあたっての35回のミッションを終えるまでのB-17の航法士の物語。
ほんのさっき、爆撃行から帰ってきて、ゲロまみれの酸素マスクを手に持って、おびえながらそこに立っている21歳の若者の苦悩。
ミッションのたびに確実に仲間が消えていく。
35回を生き残れるチャンスは運命のわずかな差に過ぎないのです。
主人公の言動は、内面へ内面へと向かっていきます。
1回、1回のミッションは常に死が身近にあることを痛切に感じさせられます。
訳者によれば、77歳の処女作だって。
たまげたね。

登場する飛行機は

1 B17Gフライング・フォートレス
2 B24リベレーター
3 メッサーシュミットMe109
4 フォッケウルフFw190
5 P51マスタング
6 P47サンダーボルト
7 メッサーシュミットMe262
8 B26


光人社NF文庫
サム・ハルバート
栗山洋児訳